文化芸術分野の適正な契約関係構築に向けたガイドライン(令和6年10月29日改訂)が公表されています

こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

令和6年10月29日に、文化庁より「文化芸術分野の適正な契約関係構築に向けたガイドライン(令和6年10月29日改訂)」が公表されましたので、今回はこれについて書きます。

文化芸術分野の適正な契約関係構築に向けたガイドライン(令和6年10月29日改訂) 表紙
引用:文化芸術分野の適正な契約関係構築に向けたガイドライン(令和6年10月29日改訂)

文化芸術分野の適正な契約関係構築に向けたガイドライン(令和6年10月29日改訂)はこちら

このガイドラインは、文化芸術の担い手である芸術家等における契約慣行の改善の方向性や、契約書のひな型及び解説、実効性確保のための方策等を示すことにより、文化芸術分野における適正な契約関係の構築、ひいてはプロフェッショナルの確立を目指し、安心・安全な環境での持続可能な文化芸術活動の実現を図ることを目的に作成されています。

今回の改訂は、令和6年11月1日に「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(フリーランス法)が施行されることに対応して、形式的な改訂が行われています。

さて、このガイドラインの内容ですが、次のような目次となっています。

  1. はじめに
    1. ガイドライン(検討のまとめ)の背景
    2. 本ガイドラインの目的
    3. 本ガイドラインで対象とする契約関係
    4. 本ガイドラインに関連する主な法令やガイドライン等
  2. 文化芸術分野における契約上の課題
    1. 文化芸術分野において契約の書面化が進まない理由
    2. 曖昧な契約や不適正な契約書によって生じる問題
  3. 課題を踏まえた改善の方向性
    1. 契約内容の明確化のための契約の書面化の推進
    2. 取引の適正化の促進
  4. 取引の適正化の促進等の観点から契約において明確にすべき事項等
    1. 取引の適正化の促進等の観点から契約において明確にすべき基本的な項目及び考え方
    2. その他の項目及び契約に当たっての留意事項
    3. 契約書のひな型及び解説
  5. 適正な契約関係の構築に向けた実効性確保のための方策
    1. 適正な契約関係の構築に向けた行政の取組
    2. 団体や事業者等に期待される事項
    3. 芸術家等に期待される事項
  6. おわりに
  7. 別添
    1. スタッフの制作や技術等に関する契約書のひな型例及び解説
    2. 実演家の出演に関する契約書のひな型例及び解説

これらの目次から分かるように、文化芸術分野における契約について、問題点や改善策等が解説されています。

これらのうち、実務的に役立つものとしては、やはり「契約書のひな型及び解説」だと思います。

例えば、次のように、ひな型と、そこに含まれる各条項の解説が記載されています。

ひな型例および解説例
引用:文化芸術分野の適正な契約関係構築に向けたガイドライン(令和6年10月29日改訂)

各条項を修正する際にも、その解説を読めばヒントがたくさん含まれています。

文化芸術分野に関する契約書のひな型はほとんど出回っていないと思いますので、貴重な資料ではないかと思います。

契約書のひな型および解説を含めて、このガイドラインを是非活用してください!

弊所では、文化芸術分野に関する契約書のご相談も承っております。
何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。

今日は以上です。

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