こんにちは。弁理士法人ブランシェ国際知的財産事務所の鈴木徳子です。
先日、海外から、自社製品に関する複数のデザインを日本でどのように意匠出願したらよいのか、戦略的なアドバイスが欲しいという依頼を受けました。
デザインを見ると、一つのコンセプトに基づく多岐にわたるバリエーションデザインであり、できるだけ広く権利を抑えるためどのような組合せで関連意匠として出願したらよいのか悩みました。
先方は、複数の意匠を一括で一つの出願で申請することを希望していました。確かに日本でも令和3年4月から複数意匠一括出願手続が認められるようになり、同一の出願人の手続きで2以上100以下の出願が一括にできます。
しかし、一括の出願であっても、印紙代が安くなるわけではなく、結局意匠の数に応じて加算されるうえ、一括出願の手続番号に加えて、それぞれの意匠に関する出願番号も付与されますので、管理も複雑になってしまいます。さしてメリットも感じられず複数意匠一括出願とはせずに個別の出願をすることを勧めました。
意匠は、発明のアイデアを保護する特許と比べると、どうしても権利範囲が狭くなりがちですが、関連意匠をうまく使えば広く権利を抑えることもできます。
今回のデザインは高額な製品に関するものでしたので、企業側も”費用がかかってもバリエーションのデザインを守りたい”という方針なのだと思います。
デザインをどのように保護すればお悩みの方がいらっしゃったら、お気軽にご相談下さい。
今日は以上です。