「リサーチツール特許データベース」をご存じですか?

こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

今回は、独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)が運営している「リサーチツール特許データベース」をご紹介します。

ちなみに、INPITは、J-PlatPat(特許情報プラットフォーム)を運営している機関でもあります。

リサーチツール特許データベース トップ画像
引用:リサーチツール特許データベース

「リサーチツール特許データベース」はこちら

INPITでは、「リサーチツール特許」とは、ライフサイエンス分野において研究を行うための道具として使用される物又は方法に関する日本特許と定義しています。

そして、この「リサーチツール特許」には、実験用動植物、細胞株、単クローン抗体、スクリーニング方法などに関する特許が含まれるとされています。

ライフサイエンス分野の研究を行うためのリサーチツール特許には、汎用性が高く広範に使用されて研究の推進に資するものが多いため、これらの特許の使用が円滑に行われないことが原因で、研究開発に支障が生じる事例があります。

そこで、INPITは、大学等や民間企業が所有するリサーチツール特許およびそのライセンス条件等に関する情報を広く公開し、リサーチツール特許使用の円滑化を図り、リサーチツール特許に関する紛争を未然に回避する目的で、このデータベースが構築されました。

さて、リサーチツール特許データベースですが、2022年9月時点では274件の特許が登録されています。

まだまだ登録数が少ないかな?と思う方もいるかと思いますが、対象がリサーチツール特許に限定されていることを考慮すると、なかなかの登録数になるのではないでしょうか。

そして、これらのリサーチツール特許を、下図に示すように、「キーワード」、「分類(動物、植物、微生物、生体関連物質、方法・プロセス、その他)」、「登録者情報」および「番号情報」で絞込検索することができるようになっています。

引用:リサーチツール特許データベース

ちなみに、登録者情報に以前私が勤務していた「国立研究開発法人産業技術総合研究所」を入力して検索したところ、10件のリサーチツール特許が表示されました。

このデータベースに登録されているリサーチツール特許は実施許諾を得て利用できる技術です。

このデータベースに登録されている特許で、利用したいものが見つかりましたら、是非その権利者にアクセスしてください!

実施許諾契約を締結することが多いと思いますが、有用な技術を利用することができます。

是非、この「リサーチツール特許データベース」を活用して、研究開発を促進してください。

弊所では、実施許諾契約に関するご相談も承っております。
何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。

今日は以上です。

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