「標準必須特許のライセンスに関する誠実交渉指針」が公表されました

「標準必須特許のライセンスに関する誠実交渉指針」が公表されました

こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

2022年(令和4年)3月31日に、経済産業省から「標準必須特許のライセンスに関する誠実交渉指針」が公表されたので、今回はそれについて書きます。

「標準必須特許のライセンスに関する誠実交渉指針」はこちら

引用:標準必須特許のライセンスに関する誠実交渉指針

この指針は、標準必須特許のライセンス交渉の透明性・予見可能性の向上を通じて適正な取引環境を実現するため、我が国として、国内特許を含む標準必須特許のライセンス交渉に携わる権利者及び実施者が則るべき誠実交渉の規範を示すものとして、経済産業省が公表しているものです。

さて、この指針の内容ですが、次のような目次となっています。

  1. 本指針策定の背景
  2. 本指針の位置付け
  3. 本指針の対象
  4. ライセンス交渉の各ステップにおいてとるべき対応
    1. ステップ1:ライセンスオファー【権利者】
    2. ステップ2:FRAND条件での契約締結の意思表明 【実施者】
    3. ステップ3:具体的なライセンス条件の提示 【権利者】
    4. ステップ4:対案の提示 (ステップ3のライセンス条件を受け入れない場合) 【実施者】

この指針は全部で5ページという非常にコンパクトな内容となっており、上記の項目が簡潔に説明されています。

例えば、『ステップ3: 具体的なライセンス条件の提示 【権利者】』には、次のような文章が記載されています。

「権利者は、実施者からステップ2(FRAND条件での契約締結の意思表明)に規定された対応を
受けた場合は、実施者に対して、ロイヤルティを含む具体的なライセンス条件を提示すべきである。
その際、権利者は、ロイヤルティの算出方法に加えて、第三者ライセンスに関する情報、パテントプールの料率、裁判例等から適切な情報を用いて、当該ライセンス条件がFRANDであることを客
観的に理解できるように説明すべきである。」

指針ですので、具体的なものはあまり例示されていませんが、どのような情報が必要になるかを理解することができると思います。

標準必須特許のライセンス交渉を行う際には、是非参考にしてください!
全くの手探りで交渉するよりも、はるかに対等に交渉できるようになると思います。

弊所では、標準必須特許のライセンス交渉のご相談も承っております。
何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。

今日は以上です。

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