著作権法を知りたい方は、まず「著作権テキスト」を!(2021)
こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
今年度も、「著作権テキスト」が改訂(令和3年度)されましたので、今回はそれについて書きます。
「著作権テキスト(令和3年度)」はこちら
「著作権テキスト」とは、著作権法の所管官庁である文化庁が作成した著作権法の入門書になります。
多くの図や表が取り入れられていて、かつ具体例も記載されているので、法律の解説書としては比較的読み易いものとなっています。
(全部で120条以上あり、かつ複雑な条文が含まれる著作権法をこれだけコンパクトにまとめるのは大変だったと思います。)
この改訂版著作権テキストは、令和3年の著作権法改正により改正された次の事項についてもトピックとして解説されています。
- 図書館関係の権利制限規定の見直し
- 国立国会図書館による絶版等資料のインターネット送信
- 図書館等による図書館資料のメール送信等
- 放送番組のインターネット同時配信等に係る権利処理の円滑化
- 権利制限規定の拡充
- 「許諾推定規定」の創設
- レコード・レコード実演の同時配信等における利用の円滑化
- 映像実演の同時配信等における利用の円滑化
- 協議不調の場合の裁定制度の拡充
さて、この著作権テキスト(令和3年度)の内容ですが、次のような目次となっています。
- 知的財産権について
- 著作権制度の沿革
- 著作権制度の概要
- 著作者の権利 (著作権)
- 著作隣接権
- 「伝達的な行為」をする者の権利
- 著作者の権利
- 著作物
- 著作者
- 権利の内容
〔参考〕プロバイダ責任制限法について - 保護期間
〔参考〕旧著作権法下における著作権の保護期間について
〔参考〕映画の著作物の著作権の保護期間に関するこれまでの裁判例について
- 著作隣接権
- 実演家の権利
- レコード製作者の権利
- 放送事業者の権利
- 有線放送事業者の権利
- 保護期間
- 外国の著作物等の保護
- 著作権関係条約の原則
- 著作権および著作隣接権関係条約の内容
〔参考〕Ⓒマークについて - 近年採択された、又は現在検討中の条約
- 海外における海賊版対策について
- 他人の著作物を「利用」する方法
- 原則として権利者の「了解」を得る(「契約」する)
〔参考〕「自由利用マーク」について
〔参考〕「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス」について
〔参考〕著作物を利用する権利に関する対抗制度の導入について
〔参考〕コンテンツの権利情報集約化 - 「了解」を得なくてよい場合
- ビジネスとして利用する場合のその他の仕組み
- 著作権関係団体
- 原則として権利者の「了解」を得る(「契約」する)
- 著作物等の「例外的な無断利用」ができる場合
- 「私的使用」,「付随対象著作物の利用」等
〔参考〕 私的録音録画補償金制度について
〔参考〕 映画の盗撮の防止に関する法律について
〔参考〕 侵害コンテンツのダウンロード違法化に関する著作権法の改正について
〔参考〕写り込みに係る権利制限規定の対象範囲の拡大に関する著作権法の改正について - 「教育」関係
〔参考〕 教育の情報化等を推進するための著作権法の改正について - 「図書館・美術館・博物館等」関係
〔トピック]令和3年著作権法改正について
~図書館関係の権利制限規定の見直し~ - 「福祉」関係
- 「報道」関係等
- 「立法」「司法」「行政」関係
- 「非営利・無料」の場合の「上演」「演奏」「上映」「口述」「貸与」等関係
- 「引用」「転載」関係
- 「美術品」「写真」「建築」関係
- 「デジタル化・ネットワーク化の進展に対応した柔軟な権利制限」関係
- 「その他のコンピュータ・ネットワーク」関係
- 「放送局」「有線放送局」関係
〔トピック〕令和3年著作権法改正について
~放送番組のインターネット同時配信等に係る権利処理の円滑化~
- 「私的使用」,「付随対象著作物の利用」等
- 著作権が「侵害」された場合の対抗措置
- 「刑事」の対抗措置
- 「民事」の対抗措置
- 著作権の侵害とみなされる行為
〔参考〕リーチサイト対策に関する著作権法の改正について
〔参考〕アクセスコントロールに関する保護の強化に関する著作権法の改正について - 紛争解決あっせん制度
- 登録制度について
- 登録の種類と効果
- 登録の手続
〔参考〕「プログラムの著作物に係る登録の特例に関する法律」の改正について
- 索 引
- 用 語
- 略 語
- 著作権法・著作権法施行令(抄)
この著作権テキストは、非常にコンパクトにまとまっているので、著作権法の概要を学ぶにはちょうど良い資料だと思います。
ただし、複雑な前提条件がある場合等、このテキストだけでは判断できない場合もありますので、そのような場合には、著作権に詳しい弁理士や弁護士に相談することをお勧めいたします。
弊所では、著作権に関するご相談も承っております。
何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。
今日は以上です。