「農林水産業・食品産業の公的研究機関等のための知財マネジメントの手引き(令和3年3月改訂)」が公表されています
こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
昨年度に続き、今年も「農林水産業・食品産業の公的研究機関等のための知財マネジメントの手引き」が改訂され、それが公表されていますので、今回はそれについて書きます。
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「農林水産業・食品産業の公的研究機関等のための知財マネジメントの手引き(令和3年3月改訂)」サマリーはこちら
さて、この改訂版の内容ですが、次のような目次となっています。
- 目次
- まえがき
- 本「手引き」について
- 知財マネジメントのセルフチェックリスト
- 知財マネジメントの在り方
- 知財マネジメントを実施する目的
- ビジネスモデル検討と事業化の重要性
- 研究開発プロジェクトごとの知財マネジメントの最適化
- 権利化と非権利化(公知化・秘匿化)を適切に使い分け・組み合せた知財戦略への留意
- 知財マネジメント実施体制の整備
- 産学官連携
- ブランド価値の向上
- 知財マネジメントの基盤の整備
- 研究開発を事業化するインセンティブ確保
- 知財マネジメント担当の設置
- 知財マネジメント重視の姿勢
- 知財マネジメントに関する基本方針の策定
- 人材育成
- 外部専門家との連携
- 業務マニュアル・規程の整備・実践
- 研究開発前、研究開発中の知財マネジメント
- 農林水産業分野と商工業分野における相違
- 公設試等の研究者自身が研究開発前から事業化を意識することの重要性
- 研究テーマの設定
- ビジネスモデルの検討
- 産学連携の促進
- 知的財産に関するリスク
- 民間事業者への知見の提供に係る留意事項
- 試料(遺伝資源)提供・受入契約の留意点
- 共同研究/受託研究契約の留意点
- 研究成果の保護と活用
- 育成者権、特許権、商標権等と営業秘密、公知化の組み合わせ
- 品種名称と商標の関係
- ライセンス契約(利用・実施・使用許諾契約)の留意点
- 対価設定の基本的な考え方
- 海外出願の重要性と留意事項
- 知的財産権の棚卸
- 侵害調査
- 侵害調査の結果に基づく侵害対応
- データ・ノウハウの取扱いについて
- 法律に基づく研究データの利用と管理
- 契約に基づく研究データの利用と管理
- 事例集
- あまおう「新品種の開発・普及と知的財産保護・活用」
- シナノゴールド「新品種の海外展開」
- 茶葉とビワ葉による高機能発酵茶「産学官連携における知財マネジメント」
- るりおとめ「マーケティングを基礎にした研究開発」
- よつぼし「民間企業と連携した海外展開」
- 安代りんどう「国内外での知財登録によるビジネス海外展開」
- 近大マグロ「養殖技術開発と知的財産保護・活用によるビジネス展開」
- いちごさん「新ブランド開発における種苗登録を活かしたビジネスモデル
- 山形県「紅秀峰」侵害事例調査
- 福岡県「夢つくし」・「福岡S6 号(商標名:あまおう)」の侵害事例調査および福岡県侵害
- 対策について
- COLUMN①
- COLUMN②
- 参考文献
この目次を見て分かると思いますが、「データ・ノウハウの取扱いについて」が章立てされており、今回の改訂では、データ・ノウハウの取扱いに関する記載が充実していると思います。
私も農家出身なので、多少は分かるつもりなのですが、農業はノウハウのカタマリだと思っています。
農業に従事されている方(研究者を含む)は、そのことを理解した上で、民間企業と付き合うようにしてください。
この手引きでも、たびたび秘密保持契約や資料提供契約を取り交わすことの重要性が指摘されています。
一方、民間企業の方も、農業に従事されている方の状況を理解した上で、付き合っていただけると、良い関係が構築できるのではないでしょうか?
弊所では、農林水産業分野における知的財産権の取得、共同研究契約やライセンス契約のご相談も承っております。
何かありましたら、弊所に是非ご相談ください
今日は以上です。