「医療機器開発ケーススタディー(令和元年度版)」が公表されています
こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
私が以前勤務していた国立研究開発法人産業技術総合研究所(当時は独立行政法人産業技術総合研究所でしたが。)から、「医療機器開発ケーススタディー(令和元年度版)」が公表されていますので、今回はそれについて書きます。
「医療機器開発ケーススタディー(令和元年度版)」はこちら
この資料には、国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)が中心となり、主に技術や法
規制(医薬品医療機器等法)の観点からみた分析結果が解説されています。
さて、この資料の内容ですが、次のような目次となっております。
- 開発事例から読み解く
- 手術器具(安井株式会社)
- 検査・診断機器(株式会社ユネクス)
- 人工関節・インプラント(ミズホ株式会社)
- ステント(株式会社Biomedical Solutions)
- IT・ソフトウェア製品(株式会社アールテック)
- 在宅医療機器(株式会社インフォワード)
- 医療機器への新規参入事例
- 医療機器分野への参入企業分析 2020
- 元の業種・企業規模とターゲット医療機器・参入業態の関係を分かりやすく解析
- 開発の成果と参入企業に起こった変化
1の開発事例の詳細については、実際にこの資料をご覧になっていただければとは思いますが、各事例ごとにポイントが簡潔にまとめられています。
例えば、1-2の株式会社ユネクスの事例では、ポイントとして、
- キーデバイス
センサ、試薬など鍵となる技術1つでヒットも可能。反面、他社技術の場合、リスクファクターにも。 - KOL(キーオピニオンリーダー)
影響力のある医師(KOL:キーオピニオンリーダー)との連携が重要。特に新しい計測手法や指標を用いる場合にはKOLとの連携は必須。 - 新技術・指標の壁
従来技術では計測不可能な計測対象は評価が難しく、新医療機器に該当する可能性もあ
る。新しい計測法・指標は、医学的に受け入れるまで長期間を要することがある。
が挙げられています。
このように、各事例について、開発のポイントがどこだったのかが分かるようになっています。
この資料に掲載されている医療機器と同様の医療機器を開発しようとしている方は、是非参考にしてください!
ところで、この資料に掲載されている情報で、特徴的なものは、次のような業種ごとの参入形態のグラフが掲載されていることです。
このグラフを見れば、どの業種がどのような切り口から医療器開発に参入することが多いか分かると思います。
この情報も是非確認してみてください。
弊所では、医療機器開発における知的財産権のご相談も承っております。
何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。
今日は以上です。