建築物、内装に関する意匠が初めて登録されました
こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
以前のブログに書いたように、令和元年の改正意匠法により、新たな保護対象として、建築物の外観、内装や画像が含まれることになりました。
経済産業省のプレスリリースによると、その新たな保護対象のうちの建築物の外観および内装に関する意匠が意匠登録されましたので、今回はそれについて書きます。
経済産業省のプレスリリースはこちら
このプレスリリースによると、次の意匠が登録されました。
- 建築物の意匠
- 商業用建物(意匠登録第1671773号):株式会社ファーストリテイリング
- 駅舎(意匠登録第1671774号):東日本旅客鉄道株式会社
- 内装の意匠
- 書店の内装(意匠登録第1671152号):カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社
- 回転寿司店の内装(意匠登録第1671153号):くら寿司株式会社
これらの図面を見ると、これらと類似する外観の建物を建てたり、類似する内装の建物を実際に作るか?と考えると、個人的にはなかなかないのではないかと思います。
この改正意匠法が成立する前は、以前のブログ(ブログ1、ブログ2)に書いたように、不正競争防止法でしか保護することができなかったので、意匠法で建物の外観や内装が保護できることになったのは、非常に意味があると思います。
ところで、これらの意匠で面白いのは、全ての意匠において、新規性喪失の例外規定が適用されていることです。
すなわち、これらの全ての意匠について、出願日前に既に建築されていたり、発表されていたようです。
ちなみに、次のような関係になっています。
1-1:意匠登録第1671773号
1-2:意匠登録第1671774号
2-2:意匠登録第1671152号
2-3:意匠登録第1671153号
これは、普通の意匠登録出願ではなかなか見られない状況です。
建築物関係の意匠ならではの状況ではないかと思います。
このように、建築物の外観や内装も意匠登録できるようになりました。
弊所では、これらの意匠に関するご相談も承っております。
何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。
今日は以上です。