「実用新案技術評価書作成のためのハンドブック」をご存知ですか?
こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
「実用新案技術評価書作成のためのハンドブック」をご存知ですか?
今回は、この「実用新案技術評価書作成のためのハンドブック」について書きます。
実用新案権は、特許権と異なり、実体審査を経ないで登録される権利です。
したがって、差止請求や損害賠償請求のような権利行使をそのまま認めると、被請求人に酷だということで、実用新案法では、権利行使をする前に、実用新案技術評価書を提示して警告しなければならないと規定しています(実29条の2)。
そこで、実用新案技術評価書が重要な役割を果たすことになるのですが、実用新案技術評価書の内容をご覧になったことがある方はあまりいないのではないでしょうか?
概念的には、特許の拒絶理由通知に近いものですが、その記載内容は拒絶理由通知とは異なっています。
そこで、実用新案技術評価書に関する詳細な説明が記載されている「実用新案技術評価書作成のためのハンドブック」が役立ちます。
「実用新案技術評価書作成のためのハンドブック」はこちら
さて、このハンドブックの内容ですが、次のような目次となっています。
- 関係資料の確認
- 補正、訂正及び審判の記録
- 出願の取下げ、放棄等
- 刊行物等提出書及び上申書
- 既作成の実用新案技術評価書
- 書誌的事項
- 「1.登録番号」、「2.出願番号」、「3.出願日」、「4.優先
日/原出願日」、「5.考案の名称」及び「6.実用新案登録出願人
/実用新案権者」 - 「7.作成日」及び「9.作成した審査官」
- 「8.考案の属する分野の分類」
- 「10.考慮した手続補正書・訂正書」
- 「1.登録番号」、「2.出願番号」、「3.出願日」、「4.優先
- 「11.先行技術調査を行った文献の範囲」の欄の記載
- 一群の内国特許文献又は外国特許文献の場合
- 「その他の文献」
- 「12.評価」の欄の記載
- 「請求項」
- 「評価」
- 「引用文献等」
- 「評価についての説明」
- 付録
実用新案技術評価書の内容でよく分からない事項がありましたら、その部分を読めばよいと思いますが、これらの中で特に重要な部分は『4.「12.評価」の欄の記載』だと思います。
この部分には、次に示すように、各請求項に記載される「評価」の内容が記載されています(実用新案技術評価の通知にも記載されていますが、少し分かり難いと思います)。
この評価が分かれば、実用新案技術評価書を受領したり、実用新案技術評価書が提示された警告を受けた時に、慌てることはなくなると思います。
実用新案登録出願数が数千件しかなく、そのうち実用新案技術評価書が請求される数は相当少ないため、実用新案技術評価書に関する情報があまりありません。
実用新案技術評価書に関して分からない事項があったら、まずこのハンドブックに当たることをお勧めいたします。
弊所では、実用新案登録出願代理、実用新案技術評価書の請求代理、実用新案技術評価書を提示しての警告等のご相談も承っております。
何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。
今日は以上です。