特許行政年次報告書2020年版が公表されました
こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
2020年7月14日に、今年度も特許庁からら特許行政年次報告書が公表されましたので、今回はこれをご紹介します。
特許行政年次報告書とは、知的財産制度を取り巻く現状と方向性、国内外の動向と分析について、直近の統 計情報、特許庁の取組等について、特許庁が取りまとめたものです。
特許行政年次報告書2020年版はこちら
2019年版には、特許行政年次報告書2019年版紹介パラパラ漫画ムービーも作製されていたのですが、今のところ(2020年8月時点)、残念ながら作成されていないようです。
さて、この特許行政年次報告書2020年版の内容ですが、特許行政年次報告書2020年版(本編)と、特許行政年次報告書2020年版(統計・資料編)の2つに分けられています。
まず、特許行政年次報告書2020年版(本編)ですが、次のような目次となっています。
- 目次等
- フローチャート式目次
- 冒頭特集 MIRUスポーツと特許
- 目次
- 凡例
- 第1部 知的財産をめぐる動向
- 第1章 国内外の出願・登録状況と審査・審判の現状
- 特許
- 実用新案
- 意匠
- 商標
- 審判
- 第2章 企業等における知的財産活動
- 知的財産活動の状況
- 知的財産権の利活用の状況
- 第3章 中小企業・地域における知的財産活動
- 知的財産活動の状況
- 第4章 大学等における知的財産活動
- 共同研究・受託研究
- 特許出願状況
- 第5章 分野別に見た国内外の出願動向
- 特許
- 意匠
- 商標
- 第1章 国内外の出願・登録状況と審査・審判の現状
- 第2部 特許庁における取組
- 第1章 特許における取組
- 審査の迅速性を堅持するための取組
- 質の高い権利を設定するための取組
- 各国特許庁との連携・協力
- 標準必須特許に関する取組
- 第2章 意匠における取組
- 使いやすい意匠制度の実現に向けた取組
- 意匠審査の品質向上に向けた取組
- デザイン・意匠制度の活用の促進
- 意匠関連情報の整備・提供
- 出願人のニーズを踏まえた早期審査の運用
- 第3章 商標における取組
- 商標の早期権利化ニーズに応えるための取組
- 商標審査基準及び審査便覧の改訂
- 商品・役務の分類に関する取組
- マドリッド協定議定書に基づく商標の国際登録制度に関する取組
- 地域団体商標に関する取組
- 商標審査の品質管理
- 第4章 審判における取組
- 審理内容の充実に向けた取組
- 紛争の早期解決・権利の早期取得に向けた取組
- 国際的な連携強化に向けた取組
- 審判に関する情報発信
- 第5章 特許庁におけるデザイン経営の取組
- 「デザイン経営」とは
- 「デザイン経営」の実践例
- 特許庁における、デザイン経営の実践
- 第6章 情報システムにおける取組
- 特許庁の情報システムにおける取組
- グローバルなIT化に向けた取組
- 第7章 多様なユーザーへの支援・施策
- スタートアップへの支援
- 中小企業への支援
- 大学への支援
- 地域における支援体制
- 知的財産活動の普及啓発活動
- 全般的な支援・施策
- 企業と特許庁の意見交換を通じた取組
- 第8章 人材育成に向けた支援・施策
- 知的財産人材の育成
- 知財功労賞表彰
- 第1章 特許における取組
- 第3部 国際的な動向と特許庁の取組
- 第1章 国際的な知的財産制度の動向
- 出願動向の変化とグローバル化
- 米国における動向
- 欧州における動向
- 中国における動向
- 韓国における動向
- 台湾における動向
- ASEANにおける動向
- インドにおける動向
- ロシアにおける動向
- 中南米における動向
- 中東諸国、アフリカにおける動向
- 第2章 グローバルな知的財産環境の整備に向けて
- 多国間、二国間会合における取組
- 国際フォーラムにおける取組
- 途上国等に対する取組
- 国際研修指導教官について
- 模倣品問題への対応
- 経済連携協定を通じた知的財産保護の取組
- 第1章 国際的な知的財産制度の動向
- 索引
- 図表索引
- 連絡先等情報
これらの目次から分かるように、2019年から2020年にかけての、世界の産業財産権に関する動きが分かると思います。
産業財産権関連の情報を探す際には、まずこの資料から探すのが効率的かもしれません。
(特許庁が作成した信頼できる情報なので)
ところで、コロナウィルスの影響がなければ、今頃はオリンピックで盛り上がっていたのではないでしょうか?
特許庁もその予定だったようで、特許行政年次報告書2020年版(本編)の冒頭特集は、「MIRUスポーツと特許」となっています。
この特集では、、スポーツを「MIRU(みる)」ための最新の技術、そして「技術を守る武器」である特許が紹介されています。
詳細は、特許行政年次報告書2020年版をご覧になっていただければと思いますが、次のようなものが紹介されています。
- 株式会社ookamiが開発した、スポーツエンターテイメントアプリ「Player!」
- 超高臨場感通信技術「Kirari!」
- ジャッジを次のステージへ「体操採点支援システム」
- チームの上達支援「SPLYZA T eams」
- 進化する電子チケット「MOALA Ticket」
これらのようなスポーツに関連する技術も当然特許の対象になります。
これらの情報は、特許行政年次報告書2020年版(本編)に記載されています。
一方、特許行政年次報告書2020年版(統計・資料編)には、産業財産権に関する非常に多くの統計データが記載されています。
弊所がセミナーを行う際に、これらのデータを利用させていただくのですが、今年も特許行政年次報告書2020年版(統計・資料編)のデータに差し替える予定です。
弊所では、知的財産に関するセミナーの講師依頼も承っております。
何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。
今日は以上です。