租税条約とは?
こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
このブログで、外国と租税条約が締結されたことや発効することについて書くことがありますが、そもそも租税条約を知らない方もいると思います。そこで、今回は租税条約とは何かについて書きます。
租税条約は、「国際的な二重課税を防ぐため」に締結されると説明されますが、この文言だけだとよく分からない方も多いと思います。
「国際的な二重課税」とは、特別の取決めがなければ、日本企業が外国(例えば米国)で得た所得に対して、その外国で課される課税と、日本で課される課税との二重の課税が課されることになります。
それだと、外国でビジネスをするモチベーションが下がってきてしまうので、「ある国の企業が海外で得た所得は、その企業が存在する国(居住地国)か、ビジネスを行った国(源泉地国)かの、何れかの国でのみ課税した方が良いのではないかという考えがあります。
そこで、その考え方を条約で取り決めるということで、そのような内容の租税条約が締結されることになります(必ず、何れか一方の国でしか課税されないという訳ではありませんが)。
ちなみに、租税条約に関しては、「OECDモデル租税条約」があり、日本が締結する租税条約は、基本的には「OECDモデル租税条約」の内容に沿ったものとなっているようです。
「OECDモデル租税条約」に関する財務省のWebサイトはこちら
詳細は、財務省のWebサイトをご覧になっていただければと思いますが、OECDモデル租税条約の主な内容は次のようなものになっています。
- 課税関係の安定(法的安定性の確保)・二重課税の除去
- 脱税及び租税回避等への対応
ちなみに、「基本的な租税条約交渉の流れ(外務省主管)」も掲載されており、次のようになっているようです。
(1)条約交渉開始 → (2)実質合意 →(3) 署名 → (4)国会承認(衆・外務委員会、参・外交防衛委員会で審査)→ (5)公文の交換 →(6)公布 → (6)発効
このブログでは、(3)と(6)の段階でお知らせすることにしています。
是非租税条約を活用して、ビジネスを有利に展開してください。
今日は以上です。