「ろすのん」も商標登録されています
こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
「ろすのん」をご存知でしょうか?
「ろすのん」とは、農林水産省が推進している「食品ロス削減国民運動(NO-FOODLOSS PROJECT)」のロゴマークです。
ご覧になっていただくと分かるように、人間の顔を単純化したようなロゴマークとなっています。
具体的には、鼻を模した赤く塗りつぶされた円の左右に、目を模した黒く塗りつぶされた円の周りに、同心円となる黒い円が描かれています。なお、左目は涙が流れた様子を模したように、同心円の下方部分が下方に伸びています。
そして、それらの下方に、口を模した二重線が水平方向に描かれたマークとなっています。
この「ろすのん」は、事業者及び消費者に対して、食品ロス削減を積極的に推進するという意 思を表明するために作成されました(食品ロス削減国民運動ロゴマーク利用許諾要領参照)。
そして、農林水産省に利用許諾申請書等を提出することにより、「ろすのん」を利用することができるようになっています。
「ろすのん」の利用に関するサイトはこちら
実際に、「ろすのん」を活用している企業や自治体はたくさんあります。
食品ロス削減に取り組んで切る企業の方は、利用許諾申請書を提出して、パンフレットやチラシ等に「ろすのん」を記載してみては如何でしょうか?
社会的問題に取り組んでいるということで、企業のイメージ向上やブランド力向上に役立つと思います。
ところで、食品ロス削減国民運動ロゴマーク利用許諾要領を読んでいたところ、その第9に
「食品産業環境対策室長は、利用者が本要領を遵守せず不正に利用した場合や、法令 や公序良俗に反する行為を行った場合には、次の必要な措置を講ずるものとします。」
と記載されていたので、どういう権利があるのかな?と思って調べたところ、「ろすのん」について商標登録されていました。
指定商品・指定役務として、「乳製品」等の29類、「茶」等の30類、「清涼飲料」等の32類、「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」等の35類および「セミナーの企画・運営又は開催」等の41類が指定されており、広い範囲で商標権を抑えていることが分かりました。
数年前から、多数の商標登録出願を行っている個人・会社があり、問題となっていました(この個人・会社の行為に対する対応策と思われる特許庁の取組については、ブログ1、ブログ2を参照してください)。
そこで、農林水産省は、それらとの紛争に巻き込まれないように、このように広い範囲の商標権を取得したのかもしれません。
近年、権利意識が高まっているからなのでしょうか?
弊所でも紛争案件が増えてきております。
商標権の取得だけでなく、特許・商標等の知的財産権に関して紛争などの問題がありましたら、弊所に是非ご相談ください。
今日は以上です。