改正民法に関するパンフレット(損害賠償請求権)がありますよ
こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
以前のブログで「改正民法に関するパンフレット(民法(債権法)改正)」をご紹介しましたが、保証制度のパンフレットに続き、損害賠償請求権について解説したパンフレット「改正民法に関するパンフレット(損賠賠償請求権)」をご紹介します。
改正民法に関するパンフレット(損賠賠償請求権)はこちら
このパンフレットでは、改正民法のうち、事件や事故によって発生する損害賠償請求権に関する新しいルールについて解説されています。
さて、このパンフレットの内容ですが、次のようになっています。
- 権利を行使することができる期間に関する見直し
- 不法行為責任
- 債務不履行責任
- 中間利息控除及び遅延損害金に関する見直し
- 中間利息控除
- 遅延損害金
- 経過措置
詳細は、このパンフレットをご覧になっていただければよいと思いますが、簡単に説明します。
まず、今回の改正では、不法行為に基づく損害賠償請求権のうち、人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権については、「損害及び加害者を知った時から5年以内であり、かつ、不法行為の時から20年以内」と定められました。
また、債務不履行に基づく損害賠償請求権に関しても、人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権については、「損害及び加害者を知った時から5年以内であり、かつ、不法行為の時から20年以内」と定められました。
ただ、知的財産に関する事件では、人の生命又は身体の侵害ということは想定し難いので、これらの改正事項について、実務的にはほとんど影響がないと思います。
次に、中間利息控除と遅延損害金に関する法改正ですが、これらについては、知的財産関係においても影響がある事項もありますので、それらについて説明します。
まず、中間利息控除ですが、事案としてはあまりないとは思いますが、例えば専用実施権(専用使用権)や独占的実施権(使用権)を設定していた特許権・商標権を、権利者の責任で消滅させてしまった場合に、独占的実施権者から損害賠償請求を受けた場合等が関係します。
ただ、この場合には、私の経験から、損害賠償請求等に進展する前に、交渉することによって回避できることも多いと思います。
最後に、遅延損害金です。これについては、知的財産関係の事案でも一番関係することが多い事項になります。
具体的には、ライセンス契約を締結していながら、ライセンシーがライセンス料を支払わないという場合が関係します。
弁理士や弁護士に作成してもらった契約書では、ちゃんと遅延損害金に関する条項も規定されていると思いますが、たまに遅延損害金に関する条項が規定されていない契約書を見かけます。
この場合には、今後は改正民法にしたがって、遅延損害金を算出することになります。
法定利率が3年ごとに見直されることになっていますので、遅延損害金の計算が少し面倒になるかもしれませんね!
このように、改正民法はさまざまな事案に関係してきますので、このパンフレットを是非読んでみてください。
概要がよく分かると思います。
弊所では、知的財産関連の侵害訴訟や民法を含む知的財産に関する契約のご相談も承っております。
何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。
今日は以上です。