AI関連発明の特許出願動向
こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
近年、弊所にもAI関連発明に関するご相談が増えてきていました。
それを裏付けるように、2019年7月に、特許庁は「AI関連発明の特許出願状況」を公表しましたので、今回はそれについて書きます。
特許庁が公表しているAI関連発明の特許出願状況に関する情報はこちら
AI(人工知能:Artificial intelligence)に関するブームは、過去に何度か起こっており、今回のAIブームは第三次AIブームと言われています。
過去の特許出願状況を見ても、第二次AIブームと言われた時期(1989年~1994年)にも、AI関連発明の出願数が伸びており、今回の第三次AIブームでも特許出願数は急激に伸びていることが分かります。
また、過去のAIブームもそうでしたが、AIブームが起きる時は、それを技術的に支えるキーワードがよく使われます。
例えば、第二次AIブームでは、専門家の知識をコンピュータに教育させることで現実の複雑な問題を人工知能に解かせることができるとした「エキスパートシステム」が、そのキーワードでした。
そして、今回の第三次AIブームでは、大量のデータのもつ特徴を自動的に学習・抽出し、データの相互関係や法則性を導き出す「ディープラーニング」が相当すると思います。
特許庁は、それについても調査しており、次のグラフを見れば分かるように、AI関連発明のうち、近年はその約半分の明細書中に「ディープラーニング(深層学習)」等の用語が使用されているようです。
これらの状況を見ると、日本では数多くのAI関連発明が成されていると思われるかもしれません。
しかし、次の「五庁及びPCT国際出願における、AIのコア技術に関する出願件数の推移」のグラフを見ると、AI関連発明の開発に関して、残念ながら「日本は遅れている」と言わざるを得ない状況となっています。
以前のAIブームとは異なり、今回の「ティープラーニング」は、実用にある程度耐え得る技術であると思われます(実際に翻訳等に利用されています)。
現時点において、日本は、AI開発に関して外国に後れを取っているような状況となっていますが、是非AI関連技術の開発に力を入れて、「AIなら日本」という状況になって欲しいですね!
弊所では、「ディープラーニング」のようなAI関連発明のご相談も承っております。
何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。
今日は以上です。