「埋蔵菌発掘プロジェクト」をご存知ですか?
こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
「埋蔵菌発掘プロジェクト」という独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)が行っているプロジェクトをご存知ですか?
「埋蔵金」ではなく、「埋蔵菌」です。
埋蔵菌発掘プロジェクトのパンフレットはこちら
このプロジェクトは、大学・公的試験研究機関・ 企業等が過去に分離したもののうち、何らかの理由で現在は使われなく なってしまった生物資源を集め、新たな目的で研究者等に提供・使用してもらうことにより、バイオ産業全体の活性化を目指して、NITEのバイオテクノロジーセンターが行っているものです。
生物資源は、一度死滅したり、廃棄されてしまうと、二度と入手できないものが多いです。
そこで、廃棄等される前に、単離された菌株をNITEに譲渡・寄託してもらい、貴重な生物資源として、後の研究に活用できるように保存・管理しているようです。
実は、以前に、私も産業技術総合研究所に勤務していた時に、同様な活動をしていたことがあります。その時は、生物資源ではなく実験データでしたが。
ある終了間際のプロジェクトで得られた実験データに関し、そのまま放置しておくとプロジェクト終了後に散逸してしまう可能性があることから、どこかの企業にライセンスして保管・管理してもらおうと、その実験データについて技術移転活動していました。
この件については、最終的に、ある機関で全ての実験データを管理してもらえるということになり、技術移転活動を終了しました。
ただ、当時は二度と入手できない貴重な実験データが散逸するのを防がなくてはと考えていました。
私の勝手な想像ですが、NITEのバイオテクノロジーセンターも同じように考えて、このプロジェクトを進めているのではないかと思っています。
さて、この埋蔵菌プロジェクトですが、パンフレットには次のようなメリットがあると記載されています。
- ラボの知名度アップ
- 新たな共同研究先、研究テーマ発掘につながる可能性がある
- 特定の研究領域においてモデル株化される可能性がある。
- フリーザー等の管理費用を削減できる
- オミックス等の情報が公に付加される可能性がある。
長い時間と費用をかけて作製した菌株ですので、そのまま廃棄等するのではなく、人類の財産として「埋蔵菌発掘プロジェクト」に譲渡・寄託してみてはいかがでしょうか?
弊所では、菌株等の生物資源に関する発明の発掘・権利化・ライセンス等のご相談も承っております。
何かありましたら、是非ご相談ください。
今日は以上です。