ドローンを用いたほ場計測マニュアルをご存知ですか?
こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)が、「ドローンを用いたほ場計測マニュアル (不陸(凹凸)編)」を公表していますので、今回はそれについて書きます。
ドローンを用いたほ場計測マニュアル (不陸(凹凸)編)はこちら
農業のドローン?と思う方もいるかもしれませんが、最近は農業用ドローンの活用等の農業の高度化が進められています。
今回ご紹介する「ドローンを用いたほ場計測マニュアル」は、それに関する情報になります。
ちなみに、農研機構のHPには、「このマニュアルに則って作業して頂ければ、市販のドローンを使ってほ場内の相対的な凹凸を簡単に計測することができます。数十ha程度以下であれば、航空機を使うより早く、安く計測可能です。」と記載されています。
なお、このマニュアルは、2016年の熊本地震で生じた農地の起伏(不陸)に関して、ドローンと画像解析ソフトを使った方法を適用した結果、不陸量を精度良く計測できることが分かったという経緯で作成されたようです。
さて、このマニュアルの内容ですが、次のような目次となっています。
- 不陸計測の作業手順概要
- ドローンによる撮影
- 飛行計画の策定
- 規制の確認
- 飛行ルートの設定
- 撮影高度の計算
- 撮影間隔の設定
- 飛行時間の計算
- DJI GS Pro の設定
- ミッションの新規作成
- 飛行範囲の設定
- 飛行高度(撮影高度)の設定
- ラップ率(重なり具合)の設定
- 飛行ルートの設定
- 撮影モードの設定
- ミッション完了時動作の設定
- その他の設定
- 飛行時間の確認
- 飛行・撮影の実施
- 天候の確認
- 撮影場所の確認
- 対空標識の設置
- 飛行・撮影
- ドローンを安全に運用するための注意事項
- 飛行時の注意点
- 飛行訓練
- ドローンのメンテナンス
- 法規制
- 許可承認申請
- 墜落時の対応
- 飛行計画の策定
- 地上基準点(GCP)の測量
- 地上基準点のレベル測量
- 地上基準点の選定
- 対空標識の設置
- レベル測量
- 地理院地図より座標と標高値を取得
- 地上基準点のレベル測量
- Agisoft Photoscan Professional による地表高データの作成
- Agisoft Photoscan の概要
- データ処理の手順
- 写真の読み込み
- 写真のアライメント
- マーカーの配置
- マーカーの座標を入力
- カメラを最適化
- 精度の低いタイポイントの削除
- 高密度な点群の構築
- ポリゴンメッシュの構築(オプション)
- デジタルエレベーションモデル(DEM)構築
- オルソモザイク構築
- オルソモザイクの出力
- デジタルエレベーションモデルの出力
- レポートの出力
- QGIS による不陸量の算出
- QGIS について
- 不陸量の算出とレイアウト図の作成手順
- DSM データとオルソモザイク画像の読み込み
- 不陸量算出範囲のポリゴン作成
- 平均標高の算出
- 平均標高ポリゴンからラスタデータを作成
- 不陸量の算出
- 不陸量ラスタのスタイル設定
- レイアウト図の作成
これらの目次を見ると、専門的な用語があり、難しいと思われるかもしれませんが、ソフトの設定画面等もあり、比較的分かり易くなっていると思います。
最初は時間がかかるかもしれませんが、実際のソフトウェアを動かしながら行えば、それほど難しくはないと思います。
(実際に動かしていないので、やってみたら大変かもしれません。)
ただ、このマニュアルに従って、ドローンの設定やソフトウェアを使いこなせば不陸量を測定できるという訳ではなく、実際に測量を行う必要があります(地上基準点(GCP)の測量参照)。
この点には注意が必要です。
この点を除けば、その他の操作については、素人でもなんとかできるのではないかと思います。
このように、ドローンを使えば比較的簡単で、かつ低予算で地面の起伏の正確な情報を得ることが分かりました。
実際にこのマニュアルを使って、ほ場等の起伏を計測する人がどの程度いるか分かりませんが、このアイデアを基にビジネスをする方が現れるかもと思い、ご紹介しました。
このマニュアルには、貴重なノウハウが含まれていますので、是非活用してください!
弊所では、ドローンを活用した発明に関する特許出願代理サービス等も行っております。
何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。
今日は以上です。