標準化マネジメントガイドラインが公表されました
こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
2019年1月30日に、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から、「標準化マネジメントガイドライン」が公表されましたので、今回はそれについて書きます。
標準化マネジメントガイドラインはこちら
このガイドラインは、産業競争力強化等の観点から戦略的に標準化に取り組む必要があり、早期の国際市場獲得を実現するべく研究開発の企画前段階から国際標準化に向けた取り組みが加速していることや、標準必須特許(標準の実施に必須となる特許)を巡る大きな紛争が続く等、標準化についてもビジネスに必要な知識として捉えられるようになってきていることから、まとめられたようです。
さて、このガイドラインの内容ですが、次のような目次となっています。
- 第1章 このガイドラインの使い方
- このガイドラインの目的及び位置づけ
- このガイドラインの構成
- 第2章 標準と標準化
- 「標準・規格」と「標準化」
- 標準化の目的
- 規格の種類
- 標準の成立過程による分類
- 第3章 標準化の経済学的効果
- ネットワーク外部性
- スイッチングコストとロックイン効果
- 情報の非対称性とシグナリング
- 第4章 標準化と知的財産
- 標準必須特許
- 標準化戦略における特許の活用手法
- 知的財産戦略に精通したキーパーソンの確保
- オープン&クローズ戦略
- 第5章 国際標準化に向けた標準化マネジメント
- 標準化マネジメントの高度化とは
- 国際標準化に向けたマネジメントの高度化のための見直し
- 国際標準化に向けた標準化マネジメントのポイント
- 参考1 『JIS Z8002 標準化及び関連活動-一般的な用語』による用語の定義
- 参考2 国際標準化のためのチェックリスト
この目次を見れば分かると思いますが、2章および3章を読めば、標準化の概要とそのメリットが簡潔に分かるようになっています。
そして、4章および5章を読めば、標準化をどのように考えていけばよいかが分かるようになっています。
特に、標準化と特許をはじめとする知的財産とは切っても切れない関係にあり、それについてもキチンと説明されています。
具体的には、次の表に記載されているように、標準と特許をどのように組み合わせていくかについても、事例を挙げて簡潔に記載されています。
最近標準化という言葉を聞くが、どういうもので、どのようにビジネスに使えるのかを知りたい方は、このガイドラインをダウンロードして、是非ご覧になってください!
今後のビジネス戦略の構築に、きっと役立つと思います。
なお、このガイドラインにも引用されている、日本工業標準調査会の『標準化戦略に連携した知財マネジメント事例集』はこちら
弊所では、JISやJAS等を活用した標準化に関するご相談も承っております。
標準化に関して何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。
今日は以上です。