特許料等の軽減措置の対象が拡大されます(2019)

特許料等の軽減措置の対象が拡大されます(2019)

こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

中小メーカーに関するイラスト2019年4月1日から、全ての中小企業に対して、特許料、審査請求料および国際出願関連手数料の軽減措置が適用されることになりましたので、今回はそれについて書きます。

以前のブログに書きましたが、昨年(2018年)7月9日から、特許料等の新たな軽減措置が施行されました。

この軽減措置の対象は中小ベンチャー企業や小規模企業等の一部の中小企業だけでしたが、2019年4月1日から施行される軽減措置の対象が全ての中小企業に拡大されることになりました。

新たな減免制度に関する経済産業省のプレスリリースはこちら

具体的には、2019年4月1日以降は、次のような企業等が減免措置の対象となります。

  • 中小事業者、特定中小事業者、試験研究機関等(大学、大学の技術移転を行う事業者、試験研究独立行政法人等):1/2 軽減
  • 小規模企業(従業員20人以下)、ベンチャー企業(設立10年未満):2/3 軽減
  • 福島復興再生特別措置法に係る事業を行う中小事業者:3/4 軽減

中小企業(何の制限もない)が対象に含まれるため、減免措置の対象者は大幅に増えることになると思います。

なお、減免措置の対象となるのはあくまで特許に関連する次の費用で、意匠や商標に関する費用は減免措置の対象となっていません。

  1. 特許料:特許権を維持するために支払う金額
  2. 審査請求料:特許出願の審査を請求する際に支払う手数料
  3. 国際出願関連手数料:国際出願を行う際に支払う手数料

これらの減免措置の適用を受けるための具体的な手続きについては、いずれ特許庁から公表されると思います。
(公開されましたら、このブログに書きます。)

ちなみに、すべての中小企業に対して特許料等の減免措置が適用されるため、特許庁の歳入が減ることになります。

そこで、出願審査請求費用が20,000円程度(出願の種類によって変わります)引上げられることになっています。

中小企業等は、上記の減免措置が適用されるので影響はありませんが、減免措置が適用されない大企業にとっては負担増になりそうです。

引き上げられた出願審査請求費用は、2019年4月1日以降に出願された特許出願になりますので、注意してください。

今回の減免制度は、中小企業にとっては有り難い制度ですが、大企業にとっては厳しい制度となっているようです。

弊所では、減免措置や補助金等を活用した特許権取得のサポートを行っています。
これらの手続について何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。

今日は以上です。

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