中小企業の知的財産戦略を考える際に役立つ資料17
こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
今回は、九州経済産業局が取りまとめた「中小企業支援機関のための知的財産相談対応実務マニュアル」をご紹介します。
この資料は、中小企業の支援機関や支援者を対象としたマニュアルですが、中小企業の方にも役立つものだと思います。
さて、この資料の内容ですが、次のような目次となっています。
- なぜ、中小企業に知的財産?
- 経営に寄与する知的財産
- なぜ経営支援に知的財産?
- (参考)経営に潜む知財の芽と罠
- 知的財産とは
- (参考)知的財産を軽視した場合のトラブル事例
- 知的財産の芽と罠を見つける相談対応プロセス
- 全体の流れ
- まず、これだけは押さえておきたい「4つの観点と質問例」
- 相談事例にみる知財を見抜く対応マニュアル
- (参考)知財に関する悩みや相談をワンストップで受け付ける知財総合支援窓口
- よくある相談に潜む知財の芽と罠 (1)創業編~(5)海外展開編
- (コラム)事業・企業経営と知的財産について
- ストーリーで学ぶ「知財で陥りやすい失敗と教訓」
- 他社権利の無断使用は命取り!
- 知財への無関心は命取り!
- 契約書の軽視は命取り!
- 知的財産に関する情報収集
- 特許や商標等の調べ方
- 知財を経営に生かしている中小企業を知りたいときは
- 知的財産制度について知りたくなったら産業財産権専門官
- 知的財産に関する情報をし収集するには
このような内容のマニュアルですが、中小企業の方には、次のところを見てもらいたいと思います。
1-(1)の経営に寄与する知的財産
ここには、特許を持っているか持っていないかで売上高営業利益率が約2倍違うというところです。
もちろん、特許を持っているから売上高営業利益率がおよそ倍になっているという単純なことではないと思いますが、特許を持っていることにより、信用力や営業力が高まったことも影響した結果だと思います。
1-参考 経営に潜む知財の芽と罠
ここには、知的財産に関する失敗例と成功例が簡単に記載されています。
弊所のところでも、失敗例と似たようなご相談があります。ここに記載されている失敗例と同じような失敗をしないようにするためにも、是非読んでみてください。
2-参考 知的財産を軽視した場合のトラブル事例
ここには、知的財産に関するトラブル事例が簡単に記載されています。
本当にこんなことが起こるの?と思われる事例もありますが、よくある事例もありますので、是非読んでみてください。
3-各編の見抜いて欲しい知財のポイント
ここには、創業編、新規事業・資金調達編、販路開拓編、経営改善編、海外展開編と段階に応じて、注意すべき点がコンパクトにまとめられています。
細かい点は弁理士などの専門家に相談すればよいと思いますが、どのような問題点があるかを知っていれば素早く適切な対応が可能となります。
全部で34ページのマニュアルですが、図やイラストをふんだんに取り入れて読みやすい資料となっています。
九州以外の方でも、九州経済産業局のHPから無料でダウンロードできますので、是非手に取ってみてください。
今日は以上です。