J-PlatPatからパテントファミリーの情報を入手できます
こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
今回は、J-PlatPatからパテントファミリー※の情報を入手できるようになったことについて書きます。
INPITのプレスリリースによると、2016年7月25日からJ-PlatPatにワン・ポータル・ドシエ(OPD)機能が追加されました。
ワン・ポータル・ドシエとは、日米欧中韓の五大特許庁(五庁)の中の複数庁に出願された同一発明の出願・審査関連情報(ドシエ情報)を一括して参照することができるITサービスです。
企業活動のグローバル化に伴って、一つの発明が、世界の複数の国や地域に特許出願されています。
そして、世界の特許出願件数は平成16年の157.5万件から平成25年の256.8万件へと増加(6割増)し、うち8割(207.8万件(平成25年))が日米欧中韓の五大特許庁(五庁)に出願されています。
そこで、複数の国や地域へ特許出願がなされた同一発明について、各国審査官がワークシェアリングすることにより、重複サーチ、重複審査が排除されるように、ワン・ポータル・ドシエを開発したとのことです。
さて、このOPD機能ですが、日本または外国の特許出願番号等から、日本、米国、欧州、中国、 韓国、カナダおよびPCTのパテントファミリーの出願・審査関連情報を一括して照会できるようになっています。
以前は、各国に出願された特許情報については、優先権書類の出願番号等を使って各国の特許庁の検索システムからダウンロードしたり、有料のデータベースを使ってダウンロードしていました。
それが、各国のデータを一括検索できて、さらに無料でダウンロードできるのであればすごく便利になりますね!
ここで気になるのが、このような機能を有償で提供しているデータベース屋さんです。
公的な機関がこのようなサービスを行うと、民業圧迫ではないかと考えてしまいます。。
まあ、余計なお世話ですね!
その他の人にとっては、世界中の特許出願情報等を簡単に入手できるようになることは、非常に嬉しいことだと思いますので、どんどん活用しましょう!
弊所では、世界各国への特許出願・実用新案登録出願・意匠出願・商標登録出願・品種登録出願等の代理業務を行っております。
これらについて何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。
今日は以上です。
※パテントファミリーとは、ある国で出願された特許出願を元に、優先権主張して複数の国に特許出願されたグループをいいます。
追記:ワン・ポータル・ドシエ(OPD)機能がJ-PlatPatと一体化されたので、以前のワン・ポータル・ドシエへのリンクを削除(2019/5/11)