中小企業の知的財産戦略を考える際に役立つ資料11

中小企業の知的財産戦略を考える際に役立つ資料11

こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

アメリカの国旗今回は、米国(アメリカ合衆国)に進出する際に役立つ資料(米国における事業進出マニュアル~知的財産権~)をご紹介します。

米国における事業進出マニュアル~知的財産権~はこちら

この資料は、JETRO(独立行政法人日本貿易振興機構)が取りまとめており、米国では知的財産と活用して付加価値を守ることが重要なビジネススキームの1つと考えられることから作成されたようです。

この資料は次のような目次となっており、知的財産のうち、特に商標について詳しく説明されています。

  1. 第一章 知的財産権
    1. 中小企業の知的財産権
    2. 国によって異なる知的財産権の法律
    3. ブランドと商標
  2. 第二章 米国における商標権
    1. 商標の識別力と強さ
    2. 商標の使用主義と登録主義
    3. 連邦商標登録できない商標
  3. 第三章 連邦商標登録
    1. 米国における商標調査の重要性
    2. マドリッド協定議定書による出願
    3. 米国における直接出願
    4. 適正な使用とは
    5. オフィスアクション、出願公告について
    6. 使用証明の提出、商標の更新について
    7. 主登録(Principal Register)と補助登録(Supplemental Register)

例えば、米国商標制度については、使用主義(※1)の米国において、商標登録が商標権確立のための必須条件ではないことが説明され、それでも次の効果が認められることから商標登録する必要があると説明されています。

  • 商標に対する独占的所有権を一般に通知したとみなされ、米国全州における排他的な商標権の有効性が法律上推定される。
  • 登録商標の®シンボルを使用できる。
  • 商標権侵害を連邦裁判所に提起することができる。
  • 商標権を侵害している品が米国に輸入されるのを防ぐ権利ができる。
  • 登録後5年間継続して使用すると、商標の不可争性(当該登録商標の有効性に対して第三者が主張できる理由・根拠を制限することができる)を獲得できる。

また、米国における商標権取得において最も重要な商標調査についても詳しく説明されています。
米国商標出願を考えられている方は是非読んでみてください。

さらには、米国における「適正な使用」についても開設されています。

全部で17ページというボリュームで非常に図を使って分かりやすく、米国では訴訟費用が非常に高額になることが多いです。

米国での訴訟リスクを下げるためにも、この資料を読んで知的財産リスクを下げた上で、是非米国に進出してください!
(弊所でも、米商標登録出願等をサポートしています。)

今日は以上です。

※1「使用主義」とは、日本の先願主義(※2)とは異なり、誰よりも先に商業目的としてその商標の使用をすることで権利が発生するという考え方です。

※2「先願主義」とは、最も早く出願した者にのみに商標登録を認めるという考え方です。

追記:米国における事業進出マニュアルのURLが変更になったので、それに合わせてリンク先を修正(2019/5/11)

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