特許出願非公開制度に関する情報が公表されました(2024)

こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

特許庁から、特許出願非公開制度に関するWebページが公開されましたので、今回はこれについて書きます。

特許出願非公開制度トップ画像
引用:特許庁HP

特許出願非公開制度に関するWebページはこちら

特許出願非公開制度とは、特許出願の明細書等に、公にすることにより外部から行われる行為によって国家および国民の安全を損なう事態を生ずるおそれが大きい発明が記載されていた場合には、「保全指定」という手続により、出願公開、特許査定および拒絶査定といった特許手続を留保する制度です。

特許出願非公開制度のフロー図
特許出願非公開制度のフロー図
引用:特許庁HP

上記フロー図に記載されているように、特許出願を非公開にするかどうか(保全指定をするか否か)の審査は、特許庁による第一次審査と、内閣府による保全審査(第二次審査)との二段階に分けて行われます。

また、この制度開始後は、一定の場合に外国出願(PCT出願を含む)が禁止されるので、外国出願禁止の対象となるか事前に特許庁長官に確認を求める制度(外国出願禁止の事前確認)も新設される予定です。

  1. 第一次審査(経済安全保障推進法第66条)について
    特許出願の中から、国際特許分類等に基づいて特定技術分野に属する発明が記載されている出願を選別して内閣総理大臣(内閣府)に出願書類を送付して保全審査に付されます(第66条第1項)。
  2. 外国出願禁止の事前確認(経済安全保障推進法第79条)について
    日本国内でした発明で公になっていないもののうち、日本に特許出願すれば保全審査に付されることになる発明は、原則として、外国出願(PCT出願を含む)よりも先に日本に特許出願(第一国出願)しなければならないとされています(第78条第1項本文)。

特許出願非公開制度の詳細な流れにつきましては、上記の特許出願非公開制度に関するWebページをご参照ください。

特許出願非公開制度の対象となる特許出願はそれほど多くはないのかもしれませんが、特許制度の根幹をなす公開制度が適用されなくなり、特許の取得が不可能となります。

今後は、出願したものがこの制度の対象となることもあり得るということは覚えていた方がよいかもしれません。

弊所では、特許出願非公開制度に関するご相談も承っております。
何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。

今日は以上です。

この記事を書いた人

branche-ip