「医薬品等の特許権の存続期間の延長」に関するQ&Aが改訂されました(2024)

こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

特許庁のプレスリリースによると「医薬品等の特許権の存続期間の延長」に関するQ&Aが改訂されましたので、今回はこれについて書きます。

「医薬品等の特許権の存続期間の延長」に関するQ&A トップ画像
引用:「医薬品等の特許権の存続期間の延長」に関するQ&A

「医薬品等の特許権の存続期間の延長」に関するQ&Aはこちら

今回の改訂Q&Aでは、次の質問に対する回答が解説されています。

  1. 「政令で定める処分を受けた者が特許権についての通常実施権者であることを証明するため必要な資料」とは、具体的にはどのような資料ですか。
  2. 「政令で定める処分を受けた者が特許権についての通常実施権者であることを証明するため必要な資料」について、署名(自筆による名前を記入)や押印は必要ですか。
     また、署名や押印をした場合に、その写しを提出することは許容されますか。
  3. 「政令で定める処分を受けた者が特許権についての通常実施権者であることを証明するため必要な資料」は電子特殊申請で提出することは可能ですか。
  4. 「特許・実用新案審査基準 第 IX 部 第 2 章 医薬品等の特許権の存続期間の延長」2.5(4)でいう「承認(登録)を知った又は知り得る状態におかれた日の最先の日を客観的に示すことができる資料」とは具体的にどのような資料ですか。
  5. 有効成分と効能・効果が過去の承認と同一であっても、新たな製剤について別の承認が得られれば、当該承認に基づく製剤特許の延長登録は認められますか。
  6. 物質の製造方法に係る発明の特許権の延長登録出願において、「特許・実用新案審査基準 第IX 部 第 2 章 医薬品等の特許権の存続期間の延長」3.1.1(1)(i)はどのように判断されますか。
  7. 平均粒径が特定の範囲にある成分Aを含む医薬に関する特許権の延長登録出願において、医薬品の承認書に、使用する成分Aの製品名が記載されているだけで平均粒径の記載がない場合には、「特許・実用新案審査基準 第 IX 部 第 2 章 医薬品等の特許権の存続期間の延長」2.5.(1)(iii)、3.1.1(1)(i)に関して、本件医薬品中の成分Aの平均粒径が特許発明で規定された特定の範囲に入ることをどのようにして説明すればよいですか。
  8. Q6.機能的用途が特定された発明の特許権は延長登録が認められますか。
    例)医薬品医薬機器等法上の承認
    有効成分:化合物A
    効能・効果:降圧剤
    特許発明
    化合物Aを有効成分として含有する IL-X 阻害剤
  9. 外国で臨床試験を実施し、引き続き日本国内で臨床試験又はブリッジングテストを実施することにより医薬品医療機器等法に規定される承認を受けた場合、日本における特許権の設定登録日が外国での臨床試験開始日より前であったとき、外国での臨床試験開始日から日本における承認が申請者に到達した日の前日までの期間を、「発明を実施することができなかった期間」とすることは認められますか。
  10. 治験計画届書の写しが提出できない等の理由により、処分を受けるために必要な試験を開始した日を証明できない場合、「延長を求める期間」として、願書にどのような期間を記載することができますか。
  11. 製剤特許について、承認を受けるために必要な臨床試験に要したすべての期間を、特許発明の実施をすることができなかった期間に含めることができますか。
  12. 医薬品等の承認申請をオンライン手続で行った場合、承認申請書には受付印がありません。
    記載内容を裏付けるための資料として、受付印のない承認申請書は認められますか。
  13. 記載内容を裏付けるための資料として提出が求められる特許公報について、フロントページのみの提出で足りますか。

医薬品等の特許権の存続期間の延長に関し、審査基準等を読んでも分からない部分がありましたら、まずこのQ&Aをご覧になることをお勧めします。

医薬品等の特許権の存続期間の延長手続は、特許の価値が非常に高い医薬品や医療機器等に関する特許の場合に利用される手続です。

手続に瑕疵がないように慎重に行ってください。

弊所では、医薬品等の特許権の存続期間の延長手続等のご相談も承っております。
何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。

今日は以上です。

この記事を書いた人

branche-ip