こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
2023年10月30日に、一般社団法人日本新聞協会が「生成AIに関する基本的な考え方」を公表しましたので、今回はこれについて書きます。
「生成AIに関する基本的な考え方」はこちら
現在ChatGPTを始め、生成AI関連のニュースが流れない日はないというくらい注目を浴びている生成AIですが、このAIを学習させるためには膨大なデータが必要になります。
そして、そのデータは品質が良ければ良いほど、生成AIから適切な回答が出力されることになります。
そのデータとして、報道機関が作成した報道コンテンツが無断(無料)で使用されることを懸念して、日本新聞協会がこの見解を公表したようです。
内容としては、次の項目について日本新聞協会の考え方が説明されています。
- 著作権法の問題点
- 生成AIの報道コンテンツ利用に関する問題意識
- 著作権法以外の問題点
- 当面必要な対策
- 著作権法改正等の必要性
詳細は、このWebページをご覧になっていただければと思いますが、難しい問題をはらんでいると思います。
生成AIの発展を望むのであれば、学習に利用されるデータには制限がない方がよいと思います。
一方、報道機関の方が作成された著作物を無断で生成AIの学習に利用され、その挙句生成AIによって報道機関の方が作成された記事に似た記事が簡単に作成されてしまう。
このような事態になると、報道機関の方が新しい記事を作成するインセンティブが無くなってきてしまい、新たな報道コンテンツが作成され難くなってしまう。
本当に難しい問題です。
日本新聞協会は、最終的に著作権法の法改正を要望していますが、これから議論が交わされていくと思いますが、注意深く経緯を見守っていきましょう!
弊所では、生成AI技術に関するご相談や著作権法に関するご相談も承っております。
何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。
今日は以上です。