こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
令和5年5月17日に「著作権法の一部を改正する法律」が成立し、令和5年5月26日に公布されましたので、今回はそれについて書きます。
「著作権法の一部を改正する法律の概要」はこちら
さて、今回の法改正では、次の事項について改正されました。
- 著作物等の利用に関する新たな裁定制度の創設
- 新たな裁定制度の創設【第67条の3関係】
- 窓口組織による新たな裁定制度等の手続の簡素化【第6章関係】
- 立法・行政における著作物等の公衆送信等の権利制限規定の見直し【第41条の2~第42条の2関係】
- 海賊版被害等の実効的救済を図るための損害賠償額の算定方法の見直し【第114条関係】
これらのうち、最も注目される改正は、「海賊版被害等の実効的救済を図るための損害賠償額の算定方法の見直し」ではないでしょうか。
今回の改正により、次の2点について見直しがなされました。
- 侵害者の売上げ等の数量が、権利者の販売等の能力を超える場合等であっても、ライセンス機会喪失による逸失利益の損害額の認定を可能とする
- 損害額として認定されるライセンス料相当額の算定に当たり、著作権侵害があったことを前提に交渉した場合に決まるであろう額を考慮できる
これらにより、海賊版サイトによる被害等の著作権侵害に対する損害賠償請求訴訟における著作権者等の立証負担の更なる軽減を図ると共に、著作権者等の被害回復が容易になることが期待されます。
弊所では、今回の法改正を含めて著作権に関するご相談やセミナーの開催も承っております。
著作権関係で何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。
今日は以上です。