こんにちは。弁理士法人ブランシェ国際知的財産事務所の鈴木徳子です。
商品やサービスの普通名称を商標出願したとしても、自他商品を識別できないという理由で登録を受けることはありません。
これに関し、かつて、商品「茶」を指定して出願された「さんぴん茶」(標準文字)という商標は、いったん登録されたものの、他社から商標登録異議申立てをされ、最終的に登録は取り消されています(平成11年異議第91037号)。
一方、商品「野菜 他」を指定した「空芯菜/クウシンサイ」のように、今でも登録されている商標もあります(登録第4343207号)。この商標の出願日は、1998年 8月 28日なので、当時は、空心菜があまり市場に出回っておらず、特許庁の審査で、野菜の普通名称として認識されずに登録にいたったものと思われます。言葉というのは時代によって変わっていくものなので、このようなケースはあるわけです。
商標の取消手段である登録異議申立期限は、商標公報発行日から2か月以内ですし、無効審判は、商標権設定登録日から5年以内ですので、たとえ普通名称と考えられる商標であっても、これらの期限を超えてしまうと取り消されることなく存続し、さらに10年ごとに商標更新がされると、半永久的に存続します。
なお、仮に、普通名称として考えられる商標の権利者から権利行使を受けた場合は、裁判のステージで、商標が普通名称であり効力が及ばないことを主張・立証して争うことになります。
普通名称であっても、ロゴや識別力のある文字と組み合わせれば商標の登録性は高まりますので、個別のご相談がありましたらお気軽にご連絡下さい。
今日は以上です。