こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
2022年12月に、農林水産省から「ゲノム編集技術を利⽤した品種改良と 得られた農林⽔産物の取扱い」が公表されましたので、今回はこれについて書きます。
「ゲノム編集技術を利⽤した品種改良と 得られた農林⽔産物の取扱い」はこちら
この資料には、タイトル通りに、ゲノム編集技術を利⽤した品種改良と 得られた農林⽔産物の取扱いについて、分かり易く解説されています。
さて、この資料の内容ですが、次のような目次となっています。
- 農林⽔産物と品種改良
- ゲノム編集技術とは
- 従来の品種改良とゲノム編集技術の違い
- ゲノム編集技術と遺伝⼦組換えの違い
- ゲノム編集農林⽔産物の安全性等の確認の仕組み
- 安全性等を確認・公表したゲノム編集農林⽔産物
- 最後に(ゲノム編集技術の今後の活⽤)
- 参考1 突然変異について
- 参考2 ゲノム編集技術を⽤いた遺伝⼦切断の原理
- 参考3 ⽣物多様性への影響を確認する仕組み
- 参考4 ゲノム編集農林⽔産物に係る諸外国の状況
- 参考5 ⾷品の安全性を確認する仕組み
- 参考6 飼料の安全性を確認する仕組み
- 参考7 遺伝⼦組換えに該当しないか等の確認⽅法
- さらに詳しくお知りになりたい⽅へ
詳細はこの資料をご覧になっていただければと思いますが、「ゲノム編集」等の専門用語が、イラスト等を使って分かり易く解説されています。
例えば、「4.ゲノム編集技術と遺伝⼦組換えの違い」では、次のように「遺伝子組み換え」と「ゲノム編集技術」との違いを分かり易く説明しています。
「遺伝⼦組換えは、他の⽣物の遺伝⼦等を組み込むことにより、その⽣物にない新しい性質(病害⾍に強い、栄養成分の強化など)を付与する技術で、遺伝⼦組換え農林⽔産物は、カルタヘナ法や⾷品衛⽣法等により、規制されています。
これに対し、⼀般的に「ゲノム編集技術」と⾔う場合には、その⽣物が本来持つ潜在的機能等を引き出す技術を⾔い、遺伝⼦組換えは含まれません。」
また、この資料には、次のように、2022年12月時点において、安全性等・公表したゲノム編集農林水産物も掲載されています。
この資料を読むと、ゲノム編集技術を利用した農林水産物が身近な存在になりつつあることが分かると思います。
「ゲノム編集農林水産物」がどんなものか分からないという方は、是非この資料を読んでみては如何でしょうか?
ちなみに、ゲノム編集農林水産物のほとんどについては、特許が取られているか、少なくとも特許出願はされていると思います。
(開発費に多額の費用と時間がかかっているので、これらの費用を回収するには、特許を取得して一定期間独占する必要があるからです。)
弊所では、ゲノム編集農林水産物に関するご相談も承っております。
何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。
今日は以上です。