こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
近年、弊所でも人工知能(AI)を活用した発明に関する相談が増えてきました。
以前のブログにも書いたように、以前からこの傾向はあったのですが、最近特にその傾向が高まっているように感じていました。
そして、それを裏付けるように、2022年10月に、特許庁は2020年までの出願データを基に「AI 関連発明の出願状況調査 報告書」を更新しましたので、今回はそれについて書きます。
「AI 関連発明の出願状況調査 報告書」はこちら
「AI 関連発明の出願状況調査 結果概要」はこちら
AI(人工知能:Artificial intelligence)に関するブームは、過去に何度か起こっており、今回のAIブームは第三次AIブームと言われています。
今回の調査結果から、この第三次AIブームは今も続いていることがハッキリしました。
さて、これらのAI関連発明の内容ですが、特許庁は、次のグラフに示されるように、「主分類として画像処理分野へのAI関連発明の出願が⽬⽴ちます。また、「その他」にまとめられる技術分野の数も増加傾向にあり、AI技術の適⽤先が拡⼤していることがうかがえます。」と判断しています。
画像処理分野へのAI関連発明の出願が⽬⽴つと結論付けています。
確かに、多数の画像データで構成された教師データから、共通する特徴点を抽出してAI化するというのは、ディープラーニング(深層学習)の初期からずっと行われており、その研究が現在も継続されている証拠なのかもしれません。
ちなみに、ディープラーニング技術に関する出願動向も調査されており、特許庁は、次の表に示すように、「CNN(畳み込みニューラルネットワーク)は、2019年に減少するものの2020年には増加に転じており、RNN(リカレントニューラルネットワーク)⼜はLSTM(Long Short-Term Memory)及び深層強化学習は、2018年以降横ばいとなっております。また、トランスフォーマが2017年以降出願され、2020年には深層強化学習を上回り増加傾向にあります。」と判断しています。
これらの状況を見ると、日本では数多くのAI関連発明が成されていると思われるかもしれません。
しかし、次ののグラフを見ると、AI関連発明の開発に関して、残念ながら「日本は遅れている」と言わざるを得ない状況となっています。
現時点において、日本は、AI開発に関して外国に後れを取っているような状況となっていますが、是非AI関連技術の開発に力を入れて、「AIなら日本」という状況になって欲しいですね!
弊所では、AI関連発明のご相談も承っております。
何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。
今日は以上です。