こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
2022年3月に、厚生労働省から「医療系ベンチャー支援ガイドブック」が公表されましたので、今回はこれについて書きます。
「医療系ベンチャー支援ガイドブック」はこちら
このガイドブックは、医薬品 、 医療機器 、 再生医療等製品の実用化を目指すベンチャー企業(医療系ベンチャー)の方、研究成果等を基にこれからベンチャー企業を立ち上げようとする個人、特に大学や大学病院の研究者、医療従事者を対象に、作成されています。
さて、このガイドブックの内容ですが、次のような目次となっています。
- 医療系ベンチャーを起業する前に
- 起業の前に
- 医療系ベンチャーの類型と特性
- 起業前に考えておくべきポイント
- 製品開発のプロセスと医療系ベンチャーの位置づけ
- 医療系ベンチャーのポジション例
- 医薬品の開発プロセス
- 医療機器の開発プロセス
- 再生医療等製品の開発プロセス
- 医療系ベンチャーが陥りやすい隘路と成功のポイント
- 人材の確保
- 市場性の確認
- 開発計画の立案
- 知財戦略の検討
- 資本政策の立案
- 公的機関による医療系ベンチャーの支援策・サービス
詳細は、このガイドブックをご覧になっていただければと思いますが、医療系の研究者等が、医療系ベンチャーを起業する際に注意すべき点等が非常にコンパクトにまとまっています。
例えば、医療機器の開発プロセスについては、次の様なフローチャートで分かり易く説明されています。
また、例えば3-4の「知財戦略の検討」には、
「ベンチャー企業がどういうビジネスモデルを描くのかによって権利関係の整理方法は変わってきます。当該業界のビジネスに詳しい弁理士に相談することも一案です。」
と記載されており、どのようなビジネスを行うかによって、取得すべき特許権(発明)が異なることが記載されています。
特許出願を弁理士に依頼する時には、適切な範囲で特許権が取得できるように、ビジネスモデルについても話しておいた方が良いと思います。
このように起業する際に検討すべきポイントが簡潔に記載されていますので、医療系ベンチャーを立ち上げようと考えている方は、まずはこのガイドブックを読んでみては如何でしょうか?
弊所では、特許だけなく、医療系ベンチャーの起業に関するご相談も承っております。
何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。
今日は以上です。