押印が必要な特許庁の手続(2022)

こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

新型コロナウイルス感染拡大防止・予防のための新しい生活様式への移行、今後急速に発展するデジタル社会への対応、行政手続の更なる利便性向上を目的として、特許庁は、ほとんどの手続の押印を廃止しました。

しかし、取引の安全等を考慮して、今後も押印が必要となる手続も残っていますので、今回はこれについて書きます。

ハンコのイメージ

特許庁のプレスリリース「特許庁関係手続における押印の見直しについて」はこちら

さて、今後も押印が必要となる手続は次のものになります。

手続名手続内容・改正内容
出願人名義変更届(4種)特許等を受ける権利の移転
申請書の押印廃止、譲渡人の証明書の押印存続
氏名(名称)変更届(2種)
住所(居所)変更届(2種)
特許権等を受ける権利者の氏名・住所変更届
申請書の名義人の押印存続
手続名手続内容・改正内容
一般承継による特許権等の移転登録申請(4種)特許権等の一般承継(相続、合併、会社分割)による権利移転登録申請
利害関係者の承諾が必要な手続のみ押印存続
特定承継による特許権等の移転登録申請(4種)特許権等の特定承継(譲渡)による権利移転登録申請
証明書(譲渡証書)について譲渡人のみ押印存続(申請書の押印不要)
登録名義人表示変更登録申請(4種)登録名義人の氏名・住所変更の申請、名義人の押印存続
質権設定(変更)登録申請(4種)特許権に関する質権設定(変更)の登録申請
質権設定者の押印存続
専用実施(使用)権設定(変更)登録申請(4種)専用実施(使用)権設定(変更)の登録申請
専用実施(使用)権設定者の押印存続
仮専用実施権設定(変更)登録申請(1種)特許を受ける権利に関する仮専用実施権設定(変更)の登録申請
実施権設定者の押印存続
通常使用権設定(変更)登録申請(1種)商標権に係る通常使用権設定(変更)の登録申請
実施権設定者の押印存続
商標権分割登録申請(1種)商標権の分割の登録申請
権利者の押印存続
商標権分割移転登録申請(1種)商標権の分割移転の登録申請
譲渡人の押印存続
実用新案権抹消登録申請(1種)実用新案登録に基づく特許出願をした場合における実用新案権の抹消登録
申請人(権利放棄を行う者)の押印存続

これらの手続を行う場合には、押印が必要になりますので注意してください。

なお、押印に使う印鑑については、以前はどのような印鑑でもよかったのですが、現在は実印等でなければならないので、併せて注意してください。
(最初の手続には、印鑑証明書も提出する必要があります。)

ほとんどの手続に押印が不要となったので大分楽になりましたが、特定の手続には実印による押印が必要になりますので注意してください。

弊所では、上記の手続に関する代理も承っております。
何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。

今日は以上です。

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