マルチマルチクレーム制限後の出願状況について(2022年7月)

こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

以前のブログに書いたように、2022年4月1日から、日本の特許出願においてもマルチマルチクレームが禁止されました。

その後、マルチマルチクレームを含む特許出願の状況に関する情報が公表されましたので、今回はそれについて書きます。

禁止マーク

マルチマルチクレーム制限後の出願状況がきさいされているWebページはこちら

特許庁によると、「特許出願全体に占めるマルチマルチクレームを含む出願の割合は、マルチマルチクレーム制限前は65%程度であったのに対して、制限後は5%程度(令和4年4月出願分は6.0%、同年5月出願分は4.5%)に減少して」いるそうです。

規則をきちんと守るという日本人らしさが出ている調査結果だと思います。

弊所でも、2022年4月1日以降に特許出願・実用新案登録出願する案件では、マルチマルチクレームを含まないように予め調整しておきました。

なお、特許庁も注意書きしていますが、マルチマルチクレームを含んだ特許出願であっても、審査請求までに、マルチクレームを含まないように自発補正をすれば、この問題は解消しますので、安心してください。

ただし、そのような補正をしない場合には、マルチマルチクレームが含まれている旨の最初の拒絶理由が通知されます。そして、その応答によりマルチマルチクレームが解消された補正後の請求項に係る発明が、その他の拒絶理由を有する場合には、最後の拒絶理由が通知され、補正をすることができる範囲が制限されるおそれがあるので、注意してください。

弊所では、拒絶理由が通知された案件(中途案件)に関するご相談も承ります。
何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。

今日は以上です。

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