こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
本年度(令和4年度)も外国出願にかかる費用の半額(1/2)を補助する支援事業が開始されましたので、今回はこれについて書きます。
この支援事業の正式名称は、令和4年度中小企業等海外出願・侵害対策支援事業費補助金(中小企業等外国出願支援事業)と言います。
令和4年度中小企業等海外出願・侵害対策支援事業費補助金に関するパンフレットはこちら
【注意事項】
申請期間:2022年5月9日~5月31日(水)17:00締切
この支援事業に採択されると、次の補助率・上限額で、外国特許庁への出願料、国内・現地代理人費用、翻訳費等に対して補助金が出ることになります。
- 補助率:1/2
- 上限額:1企業に対する上限額:300万円(複数案件の場合)
- 案件ごとの上限額:特許150万円(実用新案・意匠・商標60万円)
- 冒認対策商標(※):30万円
(※)冒認対策商標:第三者による抜け駆け出願(冒認出願)の対策を目的とした商標出願をいう。
ただし、これらの助成を受けるためには、次の1 ~3 の全てを満たす必要があります。
- 日本国内に主たる事業所を有する中小企業者(「中小企業者」とは、中小企業支援法第2条第1項第1号 から第3号までに規定された要件に該当する企業をいいます。)、又はそれらの中小企業者で構成されるグループ(グループ構成員のうち、中小企業者が3分の2以上を占め、中小企業者の利益となる事業を営む者をいいます。)であること。
※中小企業者には法人格を有しない個人事業者を含む。また、地域団体商標に係る外国特許庁への商標出願については、事業共同組合等、商工会、商工会議所、NPO法人を含む。 - 外国特許庁への出願業務を依頼する国内弁理士等(選任代理人)の協力が得られる中小企業者、又は、自ら同業務を現地代理人に直接依頼する場合には、同等の書類を提出できる中小企業者
- 本事業実施後のフォローアップ調査および、査定状況報告書に協力する中小企業者
- 暴力団関係企業、違法な行為又は不正な行為を行った中小企業者、その他ジェトロが不適当と判断する中小企業者でないこと
なお、申請した後に、審査が行われるのですが、その審査の選定基準も次のように公表されています。
選定基準等が記載されている募集案内はこちら
- 先行技術調査等の結果からみて外国での権利取得の可能性が明らかに否定されないと判断される出願であること。
- 次のいずれかに該当する中小企業者等であること。
- 助成を希望する出願に関し、外国で権利が成立した場合等に、当該権利を活用した事業展開を計画している中小企業者等
- 助成を希望する商標登録出願に関し、外国における冒認出願対策の意思を有している中小企業者等
- 産業財産権に係る外国出願に必要な資金能力及び資金計画を有していること。
- 当該間接補助金の交付を受けた中小企業等においては、第23条の規定による査定状況等の報告を補助事業者が確認できること。
- 第1号から前号までに規定するもののほか、補助事業者が委員会の承認をもって別に定める審査基準
最後に、気をつけていただきたい点は、下図に示すように、費用を支払った後で補助金が支給されることです(緑色の枠参照)。すなわち、まず上記の費用を自己負担した後に補助金が支払われること(後払い)になりますので、資金繰りに注意してください(先払いと勘違いされている方もいます)。
外国出願には、現地のオフィシャルフィー以外に、現地代理人の費用等の多額の費用がかかります。
せっかくの補助金制度ですので、是非活用して外国の知的財産の取得を目指してみては如何でしょうか?
弊所でも、補助金等の申請サポートおよび補助金等を活用した外国出願のご相談も承っております。
外国出願について何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。
今日は以上です。