2022年度の東京都の外国出願関連補助金(第1回)

高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

今年度(2022年度)も東京都が独自に助成している外国出願関連補助金(第1回)が公募されていますので、今回はそれについて書きます。

東京都の外国出願関連補助金はこちら

お金をもらって嬉しい人のイラスト2

東京都は、現在(2022年5月)、都内の中小企業の外国における知的財産の保護、活用のために、次の助成金の公募を予定しています。

ただし、下記1~4および8については、次のように応募期間が限定されているので、ご注意ください。

下記1~4:第1回
提出希望日時予約期間:令和3年5月24日(月)~6月16日(水)
申請受付期間:令和3年5月31日(月)~6月25日(金)

下記8:提出希望日時予約期間:令和3年7月5日(月)~7月30日(金)
申請受付期間:令和3年7月12日(月)~8月6日(金)

  1. 外国特許出願費用助成事業
    助成率助成限度額助成対象経費
    1/2以内400万円
    (ただし、出願に要する経費のみの場合は、300万円)
    外国出願手数料、弁理士費用、翻訳料、先行技術調査費用、国際調査手数料、国際予備審査手数料等
  2. 外国実用新案出願費用助成事業
    助成率助成限度額助成対象経費
    1/2以内60万円外国出願手数料、弁理士費用、翻訳料、先行技術調査費用、国際調査手数料、国際予備審査手数料等
  3. 外国意匠出願費用助成事業
    助成率助成限度額助成対象経費
    1/2以内60万円外国出願料、弁理士費用、翻訳料等
  4. 外国商標出願費用助成事業
    助成率助成限度額助成対象経費
    1/2以内60万円外国出願料、弁理士費用、翻訳料等
  5. 外国侵害調査費用助成事業
    助成率助成限度額助成対象経費
    1/2以内200万円侵害調査費用、侵害品の鑑定費用、侵害先への警告費用、税関での輸入差止費用
  6. 特許調査費用助成事業
    助成率助成限度額助成対象経費
    1/2以内100万円他社特許調査委託に要する経費
  7. 外国著作権登録費用助成事業
    助成率助成限度額助成対象経費
    1/2以内10万円登録手数料、弁理士費用、翻訳料等
  8. グローバルニッチトップ助成事業
    助成率助成限度額助成対象経費
    助成対象となる経費の合計額に対し、1/2以内3か年で1,000万円外国での該当製品・技術等に関する権利取得・維持に関する費用(周辺・改良技術等に関するものを含む)、知財トラブル対策費用(訴訟に要する費用は対象外)、先行調査費用(特許・商標・意匠・実用新案等)
  9. 海外商標対策支援助成事業
    助成率助成限度額助成対象経費
    1/2以内3か年で500万円情報収集関連費用、異議申立、不使用取消審判、無効審判、情報提供関連費用、行政訴訟関連費用
  10. 知的財産活用製品化支援助成事業
    助成率助成限度額助成対象経費
    1/2以内500万円共同研究・共同開発契約関連費用、設計・試作費用、機能評価費用等

詳細は、各助成事業のページを見ていただくこととして、今年度も、海外商標対策支援助成事業と知的財産活用製品化支援助成事業とが含まれています。

海外商標対策支援助成事業は、「中小企業が自社ブランドによる海外販路拡大を図るため、進出予定国でビジネスの障害となる他社類似商標等を取消しまたは無効化する取り組みを、助成金と専門家でサポート」するというものです。

現在国を挙げて中小企業の海外進出を支援していますが、海外進出先の国で既に同一または類似商標が登録されていた場合に、例えばその登録商標を取り消す際に利用することができる助成金になります。

もし、そのような状況でしたら、この補助金を是非活用してください!

一方、知的財産活用製品化支援助成事業は、公益財団法人東京都中小企業振興公社が「知的財産活用製品化支援事業」で支援する中小企業者が、大企業等の保有する開放特許等の知的財産を活用してスピーディーに新製品開発するための費用の一部を助成」するというものです。

この助成金をもらうためには、次の2つの条件を満たす必要があるので注意してください。

  • 申請時に、公社の「知的財産活用製品化支援事業」の支援対象として支援を受けていること
  • 過去に公社から助成金の交付を受けている者は、「企業化状況報告書」等を所定の期日までに提出していること

したがって、この補助金をもらうためには、申請のかなり前から公社に相談しておく必要があると思います。

さて、東京都では上述した補助金を用意していることを説明しましたが、これらの補助金に申し込むことができるのは、東京都内に主たる事務所を持つ中小企業者または中小企業を主たる会員とする団体等だけとなっていますので、ご注意ください。

募集要項や申込用紙等の入手先はこちら

なお、一部の助成金は、j-Grantsを利用するようになっていますので、予めj-Grantsに登録しておくことをお勧めいたします。

弊所では、弊所に出願代理をご依頼される場合に限り、補助金申請書作成のサポートを行っております。
補助金を活用した外国出願等を考えていらっしゃる方は、弊所に是非ご相談ください。

今日は以上です。

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