「産学官連携による共同研究強化のためのガイドラインを理解するためのFAQ」が公表されました

こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

令和4年3月18日に、「産学官連携による共同研究強化のためのガイドラインを理解するためのFAQ」(正式名称「ガイドラインを理解するためのFAQ」)が経済産業省から公表されましたので、今回はそれについて書きます。

引用:ガイドラインを理解するためのFAQ

「ガイドラインを理解するためのFAQ」はこちら

このFAQは、「ガイドライン及び追補版の処方箋や記載内容について、一層の理解と活用を促すため、その実務を担う大学や企業等の担当者向けに、大学や企業等の取組事例等を補足するとともに、実効性が高い具体的な手法や解釈」を整理したものです。

さて、このFAQの内容ですが、次のような目次となっています。

  1. はじめに
    1. :大学において「産学官連携による共同研究強化のためのガイドライン 【 追補版 】 」に記載された処方箋に取り組む意義とは何か?
  2. A-1 資金の好循環
    1. 研究の「知」の価値は、どのように計上すればよいか
    2. 共同研究費 について「相手 先 企業 と 大学 で 自由に決められる」とはどうい うことか?
    3. 共同研究への関与時間に対する報酬(タイムチャージ)を直接コストとして積算する場合、どのようにしたらよいか?
    4. 学生の関与時間に対する報酬(タイムチャージ)を計上する場合の注意点はあるか?
    5. 研究者の関与時間に対する報酬(タイムチャージ)を計上する場合、単価(タイムチャージレート)はどのように設定したらよいか?
    6. 研究者の価値を考慮して「研究者の担う業務の補完に要する経費」や「その他研究者の知的貢献への評価」を共同研究費に計上する場合、どのような手法があるか。また、予算・会計(収益)上の処理はどのように行ったらよいか。
    7. 研究者の関与時間に対する報酬(タイムチャージ)の積み上げに対して、上限額の設定は必要か?また上限をどのように設定したらよいか?
    8. 直接コストとして積算する常勤教員の共同研究への関与時間に対する報酬(タイムチャージ)は、どのように活用することが有効か?
    9. 「知」の価値を考慮した研究者のタイムチャージを研究者の給与に上乗せし支給することは、利益相反にあたらないか?
    10. 間接コストは積み上げ方式で考えるのがよいのか?
    11. 間接コストの比率設定の際に留意すべきポイントは何か?
    12. 間接コスト・間接経費比率の引き上げ等の制度変更を企業に周知するタイミングは?
    13. 国立大学法人は、共同研究、受託研究の間接経費について、契約した研究期間を越えて使用することはできないのか?
    14. 戦略的産学連携経費は間接経費と異なる経費なのか?
    15. 企業からの共同研究費に成功報酬を盛り込むことは可能か?
    16. 共同研究の成功報酬を寄附金の形式で受け取ることに問題はあるか?
  3. A-2 知の好循環
    1. 共同研究と受託研究のどちらの契約形態がよいか、判断基準はあるのか?
    2. 特許の共同・単独保有はどう判断すればいいのか?
    3. 大学に契約法務や交渉の専門家がいないため、どのようにすればよいか?
    4. 学生による研究成果を大学として活用できるか?
    5. 大学から企業に実施許諾(有償)する場合の実施料の支払い方法は?
    6. 共同研究の成果としてデータを利活用する上で考慮すべき点は?
    7. 共同研究において大学と企業が知的財産権の戦略的活用を行うために、互いにどのような協力が必要か?
  4. A-3 人材の好循環
    1. クロスアポイントメントを活用する際にどのような点に留意する必要があるか
    2. 大学から企業へのクロスアポイントメントにおいて、大学の給与規定を大きく超えた給与が支払われることは問題ないか?
    3. クロスアポイントメントと兼業をどう使い分ければいいのか?
    4. クロスアポイントメントの実施が利益相反にあたらないか?
    5. 教員の研究成果に基づく大学発ベンチャーに、教員自身が兼業・クロスアポイントメントで関与してよいのか?
  5. A-4 産学官連携の更なる発展のために検討すべき事項
    1. 共同研究の成果を実用化・事業化した際に生み出される利益の配分において、大学の貢献分として、「知」の価値をどのように考えればよいか?
    2. 対価を新株予約権で受ける場合、個数はどう決定すればいいのか?
    3. 大学等の外部組織を活用して産学官連携を行うメリットは?
    4. 大学と企業の研究に対する認識のずれをいかに解消するか?
  6. 産業界への処方箋
    1. 大学と企業の研究に対する認識のずれをいかに解消するか?
  7.  「組織」対「組織」連携
    1. 「組織」対「組織」連携はどのように進めるものか?
    2. 企業の課題に対して、大学の「知」を活用して研究を進めるにあたり、効果的な手段はあるか?

これらを見ると、大学等の立場であれば知りたくなるようなFAQが記載されていることが分かると思います。

しかし、大学等との産学官連携を上手く進めるためには、大学等の考え方や立場を理解することが重要だと思います。

そこで、このFAQを活用して、「産学官連携による共同研究強化のためのガイドライン 【 追補版 】を理解することで、大学等の考え方や立場を理解することができると思います。

是非、このFAQを活用して、産学官連携をスムーズに進めてください!

弊所では、産学官連携に関するご相談も承っております。
何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。

今日は以上です。

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