対特許庁手続で登記事項証明書の添付を省略できます

こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

令和4年3月1日に、特許庁から「特許庁関係手続における登記事項証明書の添付の省略について」というプレスリリースが出されましたので、今回はそれについて書きます。

「特許庁関係手続における登記事項証明書の添付の省略について」はこちら

このプレスリリースによると、令和4年4月1日から、法務省の登記情報連携システムから登記情報を入手することができるようになることから、手続書面への登記事項証明書(海外当局が発行するものを除く)の添付が不要となるようです。

具体的には、次のような手続に関して、登記事項証明書を添付する必要がなくなります。

  • 出願人名義変更届(一般承継)
  • 移転登録申請書(一般承継)
  • 団体商標登録願
  • 地域団体商標登録願
  • 予納者の地位の承継届
  • 特許料減免申請書(特許法第109条に規定する非課税法人等に限る)

ただし、特許庁は、法人名称及び住所(識別番号を記載して住所の記載を省略することができる場合には、識別番号)の記載に基づいて、その法人の登記情報を入手するようです。

したがって、特許庁に登録されている法人の本店住所および法人名と、法務省に登録されているものとが完全同一ない場合には、手続が遅れてしまう可能性があります。

そこで、特許庁としては、各書類に「その他」の欄を設け、会社法人等番号を記載することを勧めています。

引用:特許庁HP

令和4年4月1日以降に、上記のような手続を行う場合には、各書類に「その他」の欄を設けて、会社法人番号等を記載した方が良いと思います。

この他に、上記プレスリリースには、次の質問に対する回答(Q&A)も記載されています。

  1. 令和4年4月1日(予定)より前に特許庁に対し出願人名義変更届(一般承継)を提出しました。この場合、令和4年4月1日(予定)以降に登記事項証明書を提出しなければならないでしょうか。
  2. 登記事項証明書の添付が不要になったことを知らず、登記事項証明書を添付して出願人名義変更届(一般承継)を行いましたが、問題はないでしょうか。
  3. 令和4年4月1日(予定)より前に、登記事項証明書の提出を求める手続補正指令書を受け取っている場合、その応答の手続補正書を提出しなくても問題ないでしょうか。
  4. 出願人名義変更届(一般承継)等について、例えば吸収合併があった場合、吸収合併の登記申請以降、登記完了前に、提出してもよいでしょうか。

気になる点がありました、まずはこのQ&Aに当たってみてください。

弊所では、社名変更や会社合併等による法人名や本店住所の変更に伴う、対特許庁手続のご相談も承っております。
何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。

今日は以上です。

この記事を書いた人

branche-ip