脱炭素技術に関する日本の技術力(前編)
こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
2021年9月16日に、資源エネルギー庁から『「知財」で見る、世界の脱炭素技術(前編)』という記事が公表されていますので、今回はそれについて書きます。
『「知財」で見る、世界の脱炭素技術(前編)』はこちら
国は、2020年12月に、「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を策定しました。
この成長戦略では、今後、産業として成長が期待されるとともに、温室効果ガス排出削減の観点から取り組むべき14の重要分野が設定されています。
そこで、資源エネルギー庁は、これらの分野に関し、知財競争力※を代表する指標として、2010~2019年の10年間に各国に出願された特許を対象に、
- 各分野の特許数
- 特許への注目度(他社閲覧回数、情報提供回数など)
- 特許の排他性(他社拒絶査定引用回数、無効審判請求回数など)
などを評価し、それをそれぞれの特許の残存年数(あと何年権利が認められるかの年数)とかけあわせ、企業ごとに集計した指標「トータルパテントアセット」を、企業国籍別で再集計することにより国・地域別の特許競争力の順位付けを行いました。
この記事では、これらの各分野について分析が行われています。
例えば、水素産業に関しては、次の表に記載されているように、日本が最も高い知財競争力を保有しているとされています。
そして、「日本は、自動車メーカー3社による燃料電池自動車関連の特許がけん引し、抜きんでて首位に立っています。2位が中国、3位が米国、4位が韓国となっており、5位のドイツとは大きく差がついています。」と分析されています。
ちなみに、水素産業以外で、自動車・蓄電池産業と半導体・情報通信産業において、日本が高い知財競争力を有しているとされています。
これを見ると、日本の技術力も捨てたもんじゃない!と言えると思います。
『「知財」で見る、世界の脱炭素技術(後編)』では、残りの7分野について説明されていますので、次のブログに書く予定です。
脱炭素技術に関する日本の技術力(後編)はこちら
弊所は、上記14分野以外の分野も含めて、企業の競争力を上げるためのご相談も承っております。
何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。
今日は以上です。
※脱炭素技術に関する日本の技術力(後編)へのリンクを作成(2021/11/09)