「安全保障貿易管理ガイダンス[入門編]」が公表されています
こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
以前のブログで安全保障貿易管理に関するe-ラーニングをご紹介しましたが、経済産業省が「安全保障貿易管理ガイダンス[入門編]」を公表していますので、今回はそれについて書きます。
「安全保障貿易管理ガイダンス[入門編]」はこちら
このガイダンスは、安全保障貿易管理制度の概要や輸出等に際して輸出者が実施すべきこと等をとりまとめ、社内の法令遵守体制構築に向けた取り組みを促進することを目的として作成されました。
さて、このガイダンスの内容ですが、次のような目次となっています。
- 第一章 本ガイダンスの目的
- 本ガイダンスの目的
- 第二章 安全保障貿易管理の概要
- 安全保障貿易管理の必要性等
- 安全保障貿易管理制度の全体像
- 規制の内容
- 規制の概要
- リスト規制
- キャッチオール規制
- 輸出管理の対象
- 輸出許可申請
- 許可申請手続きの流れ
- 許可申請手続きと提出書類
- 輸出者等遵守基準(輸出者等が守らなければならない事項)
- 法令違反に対する罰則等
- 第三章 輸出管理の実務
- 輸出管理の流れ
- 該非判定
- 該非判定の手順
- 該非判定の注意点
- 取引審査
- 取引審査の手順
- 許可を要しない特例
- 出荷管理
- 出荷管理の手順
- 第四章 輸出管理体制の構築
- 社内管理体制等
- 役割分担等
- 輸出管理内部規程(CP)の策定
- 最新法令等の周知及び指導
- 違反時の報告及び再発防止策
- 体制維持管理のための取組み
- 教育(研修)
- 監査
- 文書管理
- 社内管理体制等
- 問い合わせ窓口
- 安全保障貿易管理ホームページ
- 別添資料
なお、このガイダンスの冒頭には、安全保障貿易管理制度の概要等をまとめた動画が紹介されていますので、この動画を見てからこのガイダンスを読むと、安全保障貿易管理制度をより理解できるのではないかと思います。
このガイダンスの良い点は、輸出管理の実務が分かり易く記載されているところだと思います。
(個人的には、市販の本よりも、分かり易いのではないかと思っています。)
例えば、該非判定の手順では、次のようなイラストが記載されています。
そして、各STEPごとに、何をすべきかが具体的に記載されています。
例えば、「STEP1|該非判定を行う対象(貨物・技術)を特定する。」では、次のように記載されています。
「該非判定の対象は、「輸出しようとする貨物」や「提供しようとする技術」です。 例えば、海外から「○○を分析する装置」の引合いを受けた場合は、同装置が「輸出しようとする貨物」になり、該非判定の対象になります。」
そして、輸出管理のキモとなる該非判定に関しては、経済産業省の安全保障貿易管理ホームページに掲載している「貨物・技術の合体マトリクス表」を用いて照合する方法が解説されています。
このように具体的な手順まで解説されているので、初めて輸出管理に携わる人にとってお勧めの資料だと思います。
また、このガイダンスだけで分からない場合には、問い合わせ窓口の情報や安全保障貿易管理ホームページの情報もありますので、これらにアクセスすることも可能になっています。
このガイダンスを活用して安全保障貿易管理に取り組んでください!
弊所では、安全貿易管理に関するご相談も承っております。
何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。
今日は以上です。