「特許活用 虎の巻2020」が公表されています!
こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
経済産業省 中部経済産業局から「特許活用 虎の巻2020」が公開されていますので、今回はそれについて書きます。
「特許活用 虎の巻2020」はこちら
この資料は、主にモノづくり企業がヘルスケア・医療機器産業の新規参入(新規事業開拓、新製品開発)を検討する際に、特許の公開情報を技術情報として扱うことにより、自社の強みや特性を把握し、新規産業分野での方向性を模索するための手引書となることを目的に作成されました。
さて、この資料の内容ですが、次のような目次となっています。
- はじめに
- 進め方
- ステップ1 特許マップ作りの材料を集める ー自社の技術の特性・強みは何かー
- ステップ2 特許マップを作る ーブレイン ストーミングー
- ステップ3 特許マップを読む ー過去・現在から未来へー
- モノづくり企業のヘルスケア・医療機器産業参入の留意点
- 終わりに
- 参考
- 特許分類について
- 特許調査について(J-Plat Pat)
- 医療機器メーカーの特許分析 ~次世代ヘルスケア・医療機器開発の傾向~
この目次を見れば分かると思いますが、この資料は、このブログで紹介した医療機器産業への参入に役立つ資料と比較して、少し変わっています。
具体的には、ブレインストーミング等を活用したアイデアの出し方等について、非常に詳しく解説されています。
例えば、下図のようなフローチャートが記載されており、アイデア出しに必要な文具やそれらの使い方まで、詳細に説明されています。
また、「モノづくり企業のヘルスケア・医療機器産業参入の留意点」では、モノづくり企業が、新規にヘルスケア・医療機器産業に参入する主なルートとして次の4つを挙げています。
- 医療機器メーカーからの部材供給オファー
- 病院ニーズからの参入(医療従事者からのニーズ)
- 大学技術シーズとの連携による社会実装化
- ベンチャー企業との連携による社会実装化
そして、各ルートで留意すべき点について、具体的に記載されています。
例えば、1. 医療機器メーカーからの部材供給オファーに対する留意点として、次のように記載されています。
「例えば今まで自動車部品供給をしていた企業が、医療機器部品の供給に切り替わる場合です。医療機器大手企業との出会いの場、自社アピールの場(接点をどうやって作るか?)を作ることが重要となります。自社技術のアピールのためには、自社技術の強みと医療機器メーカーとの親和性について十分検討して臨まなくてはなりません。また、すでに商品化されている医療機器の場合は、部材供給メーカーは決まっているので、その部分での新たな参入は極めて困難です。医療機器の場合、部材供給先を変更することはよほどのことが無いと考えられません。大手医療機器メーカーが次世代医療としてターゲッティングしている領域を把握し、そこに向かって自社技術をアピールする戦略を立てる必要があります。」
このように、この資料には、モノづくり企業が、ヘルスケア・医療機器産業に新規に参入する際に役立つ情報が掲載されています。
ヘルスケア・医療機器産業への新規参入を検討している企業の方は、この資料に是非目を通しておくことをお勧めいたします。
新規参入の成功確率が高まると思います!
弊所では、医療機器開発サポートに力を入れております。
医療機器の知的財産面に関して何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。
今日は以上です。