「放送同時配信等の許諾の推定規定の解釈・運用に関するガイドライン」が公表されました
こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
先日のブログで令和3年改正著作権法をご紹介しましたが、その改正法に含まれる放送同時配信等の許諾の推定規定(第63条第5項)に関するガイドラインが公表されましたので、今回はそれについて書きます。
放送同時配信等の許諾の推定規定の解釈・運用 に関するガイドラインはこちら
放送同時配信等の許諾推定規定の概要はこちら
さて、このガイドラインの内容ですが、次のような目次となっています。
- ガイドラインの趣旨・目的
- 放送同時配信等の許諾に当たっての基本的事項
- 許諾の推定に係る条件等について
- 放送事業者側に求められる条件・留意事項
- 権利者側の別段の意思表示の在り方
- 許諾をしていないと証明し得る場合の対応について
- その他の留意事項
このガイドラインのうち、「放送事業者側に求められる条件・留意事項」「権利者側の別段の意思表示の在り方」が無用の紛争を防止するために重要だと思われます。
例えば、「放送事業者側に求められる条件・留意事項」では、少なくとも次の点 に留意する必要があると記載されています。
- 権利者側が、放送同時配信等での著作物等の利用に当たり、同じ放送事業者との間の過去の契約交渉において明確に拒否する旨の意思表示をしていたなど、放送同時配信等を拒否する意思があると考えられる場合には、放送番組の契約時に、あらかじめ放送同時配信等での使用の可否を明確に確認すること
- 対価の支払いを伴う著作物等の利用について、放送のみを行う場合と、放送と放送同時配信等を併せて行う場合の対価の相場が異なる場合には、後者の対価を支払うこと
- 放送等を行う予定日時を提示することが可能な場合は、これを明確に権利者に提示すること
このように、留意すべき事項について具体的に記載されています。
是非このガイドラインを活用して、無用な争いが生じないようなスキームを考えてください!
弊所では、今回の法改正を含めて著作権に関するご相談やセミナーの開催も承っております。
著作権関係で何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。
今日は以上です。