「知恵の承継マニュアル -知財編-」をご存知ですか?
こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
特許庁が「知恵の承継マニュアル -知財編–」を公表しているので、今回はそれについて書きます。
「知恵の承継マニュアル -知財編-」はこちら
このマニュアルは、事業承継を支援する者向けに作成されたもので、支援する者に「支援にあたり心がけてもらいたいこと」が整理され、まとめられています。
早速ですが、このマニュアルの目次は、次のようになっています。
- 要約
- 序.経営の知恵(知的資産・知的財産)の承継がうまくいかないと
- 経営の知恵(知的資産・知的財産)の承継とは
- 手引書の利用にあたって
- 一般的な事業承継フローと内在するリスク
- 支援を具体化させるためのヒント
- 経営の知恵(知的資産・知的財産)の見える化シート(支援者用)
- 磨き上げのためのブレスト上のポイント
詳細は、このマニュアルを読んでいただければと思いますが、事業承継を支援する者が心がけるべき次の事項が整理できる見える化・磨き上げシートが掲載されています。
- 事前準備の重要性・必要性の認識を持たせること
- 知的資産・知的財産の「見える化」について、チェックシートを基にコミュニケーションを図ること(項目は適宜加除して運用することで構わない)
- 知的資産・知的財産の「磨き上げ」について、知財専門家からの助言を活用するようすすめること(支援者が知財専門家以外の場合)
- 「磨き上げ」について、その先のビジネスでの活用方法についてなるべく具体的に検討
するよう勧めること(今後利用しない技術は思い切って捨てる判断も重要と諭すこと - 承継着手から完了までの時期をなるべく具体的にすること(知財権の存続期間を確認しつつ整理するように助言する)
事業承継を上手く行えなかったために、知的財産(知的資産)に関連する次のようなことが起こる可能性があります。
- 事業承継後に同じ製品がつくれなくなった
- 製品製造に不可欠な特許権を失効させてしまった
- 事業承継前に先代が大企業と共同開発した技術を用いた製品製造を大企業から依頼されたが先代が不在なため製造ができなかった
このようなことが起こらないように、事業承継の際には、知的財産の取扱いについても注意を払う必要があります。
このマニュアルは、事情承継支援者向けですが、事業承継を考えている経営者にも当然使うことができます。
事業承継を考えている方は、活用してみてください!
なお、このマニュアルは、事業承継における知的財産に関するチェック項目を中心に整理されているので、一般的な事業承継におけるチェック項目については、「事業の未来を描くためのつなぐノート」日本政策金融公庫等を参照することを勧めています。
「事業の未来を描くためのつなぐノート」はこちら
ちなみに、事業承継を支援する者としては、弁理士も含まれております。
事業承継の知的財産に関して何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。
今日は以上です。