ジョージアとの租税条約が署名されました
こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
2021年1月29日に、ジョージア※との間で、新たな日・ジョージア租税条約(所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とジョージアとの間の条約)が締結されたので、今回はそれについて書きます。
財務省のプレスリリースによると、ジョージアとの間では、1986年に発効した租税条約(所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の条約)が締結されていましたが、今回の租税条約は、この条約を全面的に改正するものになります。
さて、この租税条約が発効されると、次のとおり、投資所得(配当、利子及び使用料)については、以下のとおり、源泉地国(所得が生ずる国)における課税の上限(限度税率)が引き下げられ、または課税が免除されます。
(条約の特典の濫用を防止するため、使用料に対する免税は適格者等一定の要件を満たす居住者に限って認められます。また、条約の特典を受けることが取引等の主要な目的の一つであったと認められる場合については、条約の特典は認められませんので、ご注意ください。)
配当 | 利子 | 使用料 |
---|---|---|
5% | 免税(政府受取等) 5% | 免税 |
なお、条約の規定に適合しない課税は、両国の税務当局間の協議による合意に基づき解決されます。
この表から分かるように、ライセンス契約により得られるライセンス料(使用料)の課税については、なんと免税!になります。
この租税条約を適用しないと、日本・ジョージアの両国で、ライセンス料に対して課税されることになりますので、ジョージアの企業とライセンス契約等を締結しているまたは締結する予定がありましたら、この租税条約が発効されたらすぐに届出を是非行ってください。
なお、弊所では、ジョージアの企業を含む外国企業とのライセンス契約における租税条約のご相談も承っております。
ライセンス契約に関して何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。
今日は以上です。
※本ブログにおける「ジョージア」とは、国としてのジョージアであり、米国のジョージア州のことではありません。日本では、2015年4月まで「グルジア」と呼んでいました。