日マレーシア特許審査ハイウェイが本格稼働します
こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
日マレーシア特許審査ハイウェイが本格稼働(実施)することになったので、今回はそれについて書きます。
特許庁のプレスリリースによると、2014年10月1日から、マレーシアとの間で特許審査ハイウェイ(PPH)の試行が行われてきましたが、2020年10月1日より、本格稼働(実施)することになりました。
なお、本格実施に伴う手続き要件等の変更はありません。
このPPHを利用することにより、マレーシアにおいても特許をより早期に取得することが可能となります。
ただし、日本特許出願に基づいて、日マレーシア特許審査ハイウェイを利用する場合には、次の5つの条件を満たす必要があるので、注意してください。
- PPHを申請するマレーシア出願および対応する日本出願において、優先日あるいは出願日のうち、 最先の日付が同一であること
- 対応する日本出願が存在し、すでに特許可能と判断された一または複数の請求項を有すること
- PPHに基づく審査を申請する当該出願のすべての請求項が、対応する日本出願の特許可能と判断された一または複数の請求項と十分に対応しているか、十分に対応するように補正されていること
- 当該出願に関しマレーシア知的財産公社において、PPH申請時に審査の着手がされていないこと
- マレーシア知的財産公社において、PPH申請時またはその前に、通常ルートの審査請求が行われていること
「日マレーシア特許審査ハイウェイ」の手続に関する詳細はこちら
これらの条件を満たす場合には、PPHを利用した方が特許になる可能性が高まると思われます。
マレーシアの人口は、約3,200万人と多くはありませんが、マレーシアは地理的には海路の要衝にあります。
現時点では日本からマレーシアへの特許出願数は少ないと思われますが、貿易の中継点になる可能性もあることから、将来の経済発展を見越して今後は特許出願が増える可能性があります。
その際には、このPPHを是非活用してください。
弊所では、マレーシアへの特許・商標登録出願申請等のサービスも行っております。
何かありましたら、是非ご連絡ください。
今日は以上です。