こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
令和2年上半期における知的財産侵害物品の輸入差止点数が昨年度に比べて半減したので、今回はそれについて書きます。
財務省のプレスリリースによると、次のグラフに示すように、知的財産権侵害に基づく輸入差止に関し、点数ベースでは昨年度に比べて半減しています。ただし、件数ベースでは、昨年度とあまり変わっていません。
その内訳は、輸入差止件数および輸入差止点数の両方とも、例年通り中国から送り出されたものが一番多いという結果になっています(輸入差止件数:中国85.2%、輸入差止点数:中国60.9%)。
また、侵害された権利も、例年通り、商標権が最も多くなっています(輸入差止件数:97.4%、輸入差止点数:68.7%)。
ちなみに、今年度上半期における輸入差止の特徴としては、東京五輪関係の商標権侵害品が挙げられると思います。
商標権はブランドを構成する最も基本的な権利ですので、取得していることが多いと思います。
しかし、商標権は、実際にあまり活用されていないことが多いです。
商標権等の知的財産権は、取得するだけではあまり意味がなく、活用してこそ、その価値が発揮されることになります。
その活用方法の1つとして、税関による知的財産権侵害物品の差止があります。
偽物(侵害品)が一度日本に入ってしまと、その侵害品を排除するためには、裁判を起こす必要があり、時間・費用の面からなかなか実行することができないと思います。
そのような場合には、商標権等の知的財産権に基づく、税関での輸入差止を是非検討してください!
輸入差止は、裁判ではなく行政処分なので費用はそれほどかかりませんし、偽物の輸入を止めることができるので効果は絶大です。
輸入差止はあまり知られていない手続ですが、知的財産権侵害、特に商標権侵害、意匠権侵害または著作権侵害では非常に有効な手段です。
弊所では、商標権等の知的財産権の取得から、知的財産権侵害に基づく輸入・輸出差止まで一貫したサポートを行っております。
何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。
今日は以上です。