「AI利活用ハンドブック~AIをかしこく使いこなすために~」が公表されました
こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
近年、様々なところでAI(人工知能)技術が使われるようになってきました。
特許に関するご相談でも、AIを使った発明が増えてきていると感じています。
さて、このように身近になったAI技術ですが、AIはどんなことができて、どんなことができないのか気になったことはありませんか?
このような疑問に答えられるようになる「AI利活用ハンドブック~AIをかしこく使いこなすために~」が、2020年7月28日に、消費者庁から公表されましたので、今回はそれに関して書きます。
「AI利活用ハンドブック~AIをかしこく使いこなすために~」はこちら
ちなみに、この資料は、消費者がAI利用に当たって身に付けるべき基礎的リテラシーの向上を目的として作成されました。
さて、このハンドブックですが、次のような目次となっています。
- 基本編
- 利用サービス別のチェックポイント編
- 事例①:スマートスピーカー
- 事例②:スマート家電
- 事例③:健康相談サービス
- 事例④:AI融資審査サービス
- 困ったときの相談先
- AI をかしこく使うためのデータ管理
- 信頼できる事業者を知ろう
- おわりに
内容的には、イラストや表等を駆使して、非常に分かり易いものになっています。
そして、「AIが得意なこと/できること」について、次に様に説明されています。
- ルールやゴールが明確な作業
- 特に将棋やチェスなどは、瞬時に数多くのパターンを検討できるため、ヒトよりも強いと言われています。
- 大量のデータを集めて蓄積し、複雑な掲載や分析を行う作業
- 例えば、大量のデータから、このなるパターンを抽出する顔認証システム・異常検出などが得意です。
一方、「AIが不得意なこと/できないこと」について、次に様に説明されています。
- 創造的な作業、新しい事例に対応すること
- 過去のデータに基づかない創造的な作業(デザイン・研究開発)などは苦手です。
- 言葉の意味を理解すること
- 言語や文脈を理解しているのではなく、パターンから推定した単語の当てはめを行っているだけです。
- 少ないデータで個別の事例に対応すること
- データが少ない場合、特定の個人に向けた(カスタマイズ)サービスは難しくなります。
そして、「AIの制約を知っておこう」というコラム?があり、次のような記述があります。
- AIは万能ではありません。
できることはプログラムされた範囲にとどまります。 - AI分析は完ぺきではありません。
入力されたデータに無い要素を考慮することができません。
学習するデータ量や質によって、制度にも影響が生じます。 - その他の注意点:AIは目的によって分析結果が異なります。
例えば、「消費者にとって最適なサービスの提案」を行うAIと「消費者が利用しそうなサービスのうち事業者が売りたいサービスの提案」を行うAIとでは、異なる結果となります。
これだけではよく分からないという場合には、このハンドブックを是非読んでみてください。
(このハンドブックだけでは解決しないかもしれませんが。。)
あと、このガイドブックには、利用サービス別のチェックポイントも記載されています。
例えば、スマートスピーカーについては、スマートスピーカー概要から始まり、その仕組み、注意点等が記載されています。
このハンドブックを読めば、どのような機器にAIが使われ、どのように利用すればよいかが分かると思います。
読み物としても面白いですよ!
弊所では、AIを活用した発明に関する特許のご相談も承っています。
何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。
今日は以上です。