暗号通貨(仮想通貨)に関連する指定商品・指定役務について

暗号通貨(仮想通貨)に関連する指定商品・指定役務について

こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

「億り人」等が現れ、一時期ブームとなった暗号通貨(仮想通貨)ですが、令和元年5月31日に「情報通信技術の進展に伴う金融取引の多様化に対応するための資金決済に関する法律等の一部を改正する法律」が成立し、「資金決済に関する法律」(資金決済法)に定められた「仮想通貨」の呼称が、「暗号通貨」に統一されることになりました。

この改正法の成立により、商標登録出願の指定商品・指定役務において、採択可能な表示の例が公表されましたので、今回はそれについて書きます。

暗号通貨(仮想通貨)に関連して採択可能な表示例に関するプレスリリースはこちら

このプレスリリースによると、採択可能な表示例は、次のようなものになります。

第36類 (類似群コード:36A01)

  • 「暗号資産の売買又は他の暗号資産との交換」
  • 「暗号資産の売買又は他の暗号資産との交換の媒介・取次ぎ・代理」
  • 「暗号資産の売買又は他の暗号資産との交換に関して行う利用者の金銭の管理」
  • 「暗号資産の売買又は他の暗号資産との交換の媒介・取次ぎ・代理に関して行う利用者の金銭の管理」
  • 「他人のために行う暗号資産の管理」

ちなみに、既に「仮想通貨」と表示して登録されている登録商標はそのままのようですが、令和2年6月時点において、改正資金決済法に定められた「暗号資産」の旧称を意図して「仮想通貨」の文字を使用した指定役務の表示については、出願日が令和2年12月31日以前の商標登録出願においては、採択可能なものとして審査を行うようです。

一方、出願日が令和3年1月1日以降の商標登録出願においては、採択できない表示として審査を行いますので、上述した「暗号資産」の文字を含む表示への補正が必要となりますので、注意が必要です。

この取扱いの変更は、法改正によって正式な用語が決定されたことに伴い、商標の指定商品・指定役務の表現も制限されるという例の1つになります。

今後、暗号通貨に関連する商標登録出願をする場合には注意が必要です。

弊所では、暗号通貨(仮想通貨)に関連する特許や商標のご相談も承っております。
何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。

今日は以上です。

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