オープンイノベーション白書(第3版)が公表されました
こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
2020年5月29日に、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)およびオープンイノベーション・ベンチャー創造協議会から「オープンイノベーション白書(第3版)」が公表されましたので、今回はそれについて書きます。
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この白書は、『改めて「オープンイノベーションを考える前に、そもそものイノベーションを正しく理解する」という考えに立ち返るとともに、日本の強み・弱みを含めた特徴を理解し、それらを活用する術をとりまとめる』ことをポイントに作成されています。
さて、この白書の内容ですが、次のような目次となっています。
- イノベーションの重要性と変遷
- イノベーション論の変遷
- イノベーションの歴史
- 20世紀におけるイノベーション論
- 21世紀におけるイノベーション論
- イノベーション論が実際にビジネスに活用されるケース
- イノベーション論が経営に活用されるケース
- イノベーション論が研究開発に活用されるケース
- イノベーション論が改善・普及の活動に活用されるケース
- イノベーション論が新規事業創出に活用されるケース
- 本書で考えるイノベーションの定義と創出の類型
- イノベーションの歴史を踏まえて整理した特徴と類型
- オープンイノベーション実施における目的の欠如と過度な期待
- これまでのイノベーション創出事例の類型
- イノベーション創出方法の類型とイノベーション論の適用例
- 時代や創出類型の枠組みを超えたイノベーション創出の特徴
- 第1章のまとめ
- イノベーション論の変遷
- 各国・各業界におけるイノベーション創出の経緯
- マクロ環境の変遷
- 政治
- 経済
- 社会
- 技術
- マクロ環境の定量指標
- 日本のサービス業・製造業の割合
- 日本のGDPと労働生産性、収益性
- 世界各国の人口と高齢化率
- 社会インフラの状況
- 各国におけるイノベーション政策
- 日本におけるイノベーション創出に向けた取り組みの経緯
- アメリカにおけるイノベーション創出に向けた取り組みの経緯
- 中国におけるイノベーション創出に向けた取り組みの経緯
- ドイツにおけるイノベーション創出に向けた取り組みの経緯
- イギリスにおけるイノベーション創出に向けた取り組みの経緯
- イスラエルにおけるイノベーション創出に向けた取り組みの経緯
- 各国制度の比較を通じて
- 各業界の歴史的変遷
- 自動車業界の歴史的変遷
- 装置業界の歴史的変遷
- 半導体業界の歴史的変遷
- 化学・素材業界の歴史的変遷
- 製薬業界の歴史的変遷
- ICT業界の歴史的変遷
- ゲーム業界の歴史的変遷
- 小売業界の歴史的変遷
- 業界の歴史的変遷を通じて
- 世界のイノベーション・エコシステム
- ニューヨーク
- 深圳
- バイエルン州
- ロンドン
- イスラエル
- 世界のイノベーション・エコシステムを通じて
- 第2章のまとめ
- マクロ環境の変遷
- 日本におけるイノベーション創出の現状
- 日本企業のイノベーション創出状況
- 日本企業の発明牽引型のイノベーション創出状況
- 日本企業の普及・展開型のイノベーションの創出状況
- 日本企業の21世紀型のイノベーションの創出状況
- 日本企業のイノベーションに対する取り組み状況
- 研究開発・知財
- 人材
- 経営
- スタートアップの取り組み状況
- イノベーション創出に向けた取り組みの現状
- 第3章のまとめ
- 日本企業のイノベーション創出状況
- 国内・海外のイノベーション推進事例
- 国内企業の取り組み事例
- 東京エレクトロン
- 太平洋精工
- ナイトライド・セミコンダクター
- 三井化学
- 小林製薬
- 第一三共
- ミツフジ
- HILLTOP
- 日立製作所
- メルカリ
- NTTドコモ
- 任天堂
- セブン&アイ・ホールディングス
- 楽天
- 海外企業の取り組み事例
- Deposit Solutions
- Cisco Systems
- Merck
- Bayer
- Thermo Fisher Scientific
- PayPal
- SAP
- Lenovo
- DJI
- 国内外のエコシステムの取り組み事例
- 渋谷区
- 大阪市
- MTZ(Munich Technology Center)
- VentureOut
- Silicon Valley Forum
- CDI(China Development Institute:中国(深圳)総合開発研究院)
- 日本のイノベーション創出に関する特徴と方策について
- 座談会で議論したイノベーション創出に関する日本の特徴と方策
- ヒアリングの中で意見を得たイノベーション創出に関する日本の特徴
- 第4章のまとめ
- 国内企業の取り組み事例
- 日本のイノベーション創出に向けた課題と方策
- 日本におけるイノベーション創出に関わる機会と方策
- イノベーション創出における日本の目指すべき方向性
- イノベーション創出に向けた活動報告
- NEDOの取り組み事例:研究開発型ベンチャー支援事業
- オープンイノベーション創出に向けたJOICの活動
- オープンイノベーション・ベンチャー創造協議会(JOIC)の概要
- 主な活動
これらの項目を見ると、この白書は、イノベーション論から、日本を含む各国のイノベーション政策および現状まで、幅広い視点からまとめられていることが分かると思います。
各項目まで記載すると、膨大になってしまうので、今回は、弊所に最も関係する「研究開発・知財」の項目を読んでみると、研究開発費において、日本の企業はGAFAに遠く及ばず、日本の大学に至っては、諸外国は研究費が増加傾向にあるのに対して横ばい、という状況であると解説されています。
そして、特許出願数においては、現在でも、件数・質ともに世界の上位に位置しているが、中国など他国の成長により相対的に順位が低下していると解析されています。
これらを見ると日本の研究開発能力は低下していると思われるかもしれませんが、日本では様々な技術が開発されており、イノベーションを起こすネタはたくさんあります!
産総研をはじめとする大学や公的研究機関の研究成果を活用すると共に、特許を取得して参入障壁を構築し、イノベーションを起こしてください!!
弊所では、共同研究契約、発明の発掘・権利化、侵害訴訟およびライセンス等の知的財産権の活用まで、一貫したサポートを行っています。
何かありましたら、弊所にご相談ください。
今日は以上です。