「金融機関職員のための知的財産活用のススメ」が改訂されました(2020年3月)
こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
以前のブログでご紹介した「金融機関職員のための知的財産活用のススメ ~知財を切り口とした企業の実態把握~」が、2020年3月に改訂されましたので、今回はそれについて書きます。
「金融機関職員のための知的財産活用のススメ ~知財を切り口とした企業の実態把握~」(2020年3月改訂版)はこちら
この資料も、改定前のものと同様に、金融機関に所属する方が、企業を知財の観点から見ることで、「売上の源泉となっている強み」「将来の成長を支える製品競争力」「製品競争力の根拠となる開発体制、権利」について理解を深め、「経営者とのコミュニケーション」「企業の将来性や経営ニーズの理解」「金融機関としてのソリューション提案」といった業務活動に活用することで、企業の支援にお役に立てることを目的として作成されています。
また、この資料は、改定前と同様に、特許庁が企画し、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社が編集(作成)したもので、入門編に該当する資料になります。
さて、この資料ですが、次のような目次となっています。
- サマリー
- 企業を訪問する前に知財についてどのようなことが確認できますか?
- 訪問時に知財の情報から話を広げるにはどうすればよいですか?
- 訪問して得た情報を提案につなげるにはどうすればいいですか?
- 知財についてお客さまから相談を受けた時にはどうすればいいですか?
- もっと知財について勉強するにはどうすればいいですか?
内容的には、改定前のものと同じように見えるのですが、今回の改訂では、取り上げられている情報がアップデートされています。
具体的には、次の部分がアップデートされています。
- J-PlatPat の画像(引用されている画面が最新のJ-PlatPatの画面に変更)
- 知財総合相談窓口のWebサイトの画像(引用されている画面が最新の知財総合相談窓口のWebサイトの画面に変更)
- 特許庁のWebサイトの画像(引用されている画面が最新の特許庁のWebサイトの画面に変更)
- 知財活用事例集 “Rights” 発刊の紹介
- 独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)のWebサイトの画像(引用されている画面が最新のINPITのWebサイトの画面に変更)
このように今回の改訂では、内容的にはそれほど変わっていませんが、現在の最新状況に合わせて画像データ等がアップデートされています。
内容としては、「パテント銀行」の新入社員である特実太郎さんと、「パテント銀行」の5年目行員である意匠花子さんとの会話で話が進んでいくという体裁となっています。
前半部分では、知的財産に関する情報を集めるために必要となるJ-PlatPat※の使い方が丁寧に解説されています。
一方、後半部分では、知的財産の情報から、どのように話を進めればよいかについて会話例(提案へのつなげ方等)を示しながら解説されています。
図やイラスト等がふんだんに使われており、非常に分かり易いものとなっています。
改訂前のものを利用すると、J-PlatPatの操作方法等で迷ってしまうこともありますので、今後はこの改訂版を利用することをお勧めいたします。
金融機関や企業支援をされている方で知的財産に興味がある方は、是非この資料を読んでみてください!
売上等とは異なり、数字では把握することができない知的財産ですが、この知的財産を活用して企業にどのような支援ができるかを考える切っ掛けになるのではないかと思います。
なお、弊所では、銀行、信用金庫、信用組合等の金融機関の方向けのJ-PlatPat等の使い方に関するセミナー等も承っています。
何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。
今日は以上です。
※J-PlatPatとは、独立行政法人工業所有権情報・研修館が運営している特許・実用新案・意匠・商標等の情報を入手できるプラットフォームで、インターネットのホームページから無料で利用できる特許情報検索サービスをいう。