「知財戦略支援から見えた スタートアップがつまずく 14の課題とその対応策」が公表されました
こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
2020年4月8日に、特許庁から「知財戦略支援から見えた スタートアップがつまずく 14の課題とその対応策」が公表されたので、今回はそれについて書きます。
「知財戦略支援から見えた スタートアップがつまずく 14の課題とその対応策」はこちら
この資料は、スタートアップ、ビジネス専門家、知財専門家のみなさまの今後の知財戦略構築の一助となること目的として作成されました。
また、この資料は、特許庁が2018年度から実施しているアクセラレーションプログラム “IPAS” を行って行く中で明らかになった課題とその対応方法が記載されているので、実務的に役立つものとなっていると思います。
さて、この資料の内容ですが、次のような事項が記載されています。
- IPASとは
- ビジネスに応じた知財戦略の策定
- メンタリングチームの体制
- プログラムを通じて把握した課題と対応策
- 総論プログラムを通じて明らかになったスタートアップの課題
- 課題1 ︓事業の絞り込み・優先順位付けが難しい
- 課題2 ︓自社の製品/サービスの顧客への提供価値が不明瞭
- 課題3 ︓有効なライセンスビジネスを描けない
- 課題4 ︓資金調達に有効な知財の活用法がわからない
- 課題5 ︓秘匿又は権利化の見極めがうまくできない
- 課題6 ︓大学や共同研究の成果に関する権利の帰属が問題になる
- 課題7 ︓アルゴリズム等のソフト面での知財活用が難しい
- 課題8 ︓特許権による独占期間を長期化する戦略が不十分
- 課題9 ︓既存の特許では自社のコア技術を十分に守り切れていない
- 課題10 ︓自社技術に関連する特許調査の検討と対応方法
- 課題11 ︓契約や利用規約の文言の検討が不十分
- 課題12 ︓専門家に何を相談して良いのかわからない
- 課題13 ︓社内で知財の情報が共有できていない
- 課題14 ︓社内において、知財戦略の必要性を理解してもらえない
- 総論プログラムを通じて明らかになったスタートアップの課題
- おわりに
この目次に列挙された課題を見れば分かると思いますが、この資料には、実際に遭遇する可能性の高い課題とについてその対応策が具体的に解説されています。
例えば、「課題2 ︓自社の製品/サービスの顧客への提供価値が不明瞭」は、スタートアップだけでなく、創業時の多くの企業が抱える問題です。
特に技術系のスタートアップでは、高度な技術であることから、その技術を活かした製品を販売すれば、必ず売れるはず!と考えてしまう創業者が多いです。
その結果、開発途中でエンジェルやベンチャーキャピタル等に資金提供を申し出ても、製品が本当に売れるのかを上手く説明することができず資金提供を受けることができなかったり、実際に製品を販売しても売れなかったりすることが多いです。
特に革新的な技術であればあるほど、キチンと顧客へのヒアリング等を行わないと、このような結果になる可能性が高まります。
このような状況になるのを防ぐために、この資料では次の取組を勧めています。
- ビジネス専門家と会話しよう
- 見込み顧客にアプローチしよう
この資料には、この他にも役立つ情報が掲載されています。
スタートアップに限らず、これから創業しようとしている方に役立つ情報が記載されていますので、該当する方は、是非この資料に目を通してみてください。
弊所では、NEDO SSAフェローを含めて、スタートアップ(ベンチャー)支援を積極的に行っています。
これから技術志向のスタートアップ(ベンチャー)の創業を予定している方は、弊所に是非ご相談ください。
今日は以上です。