「はじめての産学官金連携ガイドブック」が公表されました
こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
「はじめての産学官金連携ガイドブック」をご存知でしょうか?
令和2年(2020年)3月3日に、近畿経済産業局がこのガイドブックを公表しましたので、今回はこれについて書きます。
「はじめての産学官金連携ガイドブック」はこちら
このガイドブックは、「これから大学や公的研究機関との連携を検討される中小企業の皆様に向けて、準備段階・実践段階のポイント解説や、参考情報、連携事例などをわかりやすくご紹介し、連携事業に取り組む際のイメージを掴んでいただ」くことを目的に作成されています。
さて、このガイドブックですが、次のような目次となっています。
- 準備編
- 産学官金連携って何?
- どのようなメリットがあるの?
- お金はかかるの?
- どのくらい時間はかかるの?
- どこへ行けばいいの?
- 実践編
- 大学や公的研究機関との連携はどのようにするの?
- 費用はどのくらいかかるの?
- 契約するときの注意事項は?
- 特許など知的財産で気をつけることは?
- 進捗管理はどうするの?
- 事例編
- 有限会社巽繊維工業所
- 山本光学株式会社
- まとめ
- 参考情報
この目次を見れば分かると思いますが、「産学官金連携」という固い内容ではなく、平易な言葉で、大学や公的研究機関等との連携のやり方や、かかる費用について説明されています。
例えば、
「Q まずどこへ行ったらいいのですか? 研究機関や大学関係者に知り合いがいないのですが。」
という問いに対しては、
「知り合いがいなくても心配はいりません。多くの大学では、技術相談などの専用窓口を設けて、担当者やコーディネータを置いています。公的研究機関の場合も同様に窓口を設置していますので、まずはこのような窓口に相談してみるのがいいでしょう。」
という回答が記載されています。
私は、以前独立行政法人産業技術総合研究所(現国立研究開発法人産業技術総合研究所)で技術移転業務を担当していましたが、仲良くなった中小企業の方から「中小企業なので、相手にされないと思っていた」「敷居が高くて、問い合わせし難かった」等とお聞きしたことがあります。
産総研内部ではそう感じなかったのですが、国の研究機関なので、外部の人から見ると敷居が高いと感じられるのかもしれません。
同様に、大学等とあまり関わり合いの無い生活をしていると、大学等へのアクセスに気が引けるのかもしれません。
しかし、実際は、問い合わせると丁寧に対応してくれるところが多いと思いますので、まずはこのガイドブックで説明されているように、「よろず支援拠点」に気楽に相談してみてください!
思っていたよりも敷居が低いのが分かると思います。
あと、このガイドブックの「まとめ」に、次のような素晴らしい5つの秘訣が記載されています。
- 目的意識を持つ
- 契約内容は納得いくまで詰める
- 主体性を持つ(丸投げは禁物)
- 研究成果の公表や権利関係は契約時に明確にする
- コミュニケーションを密にとる
「産学官金連携」を上手く行かせるには、これらの秘訣を行うことが前提条件になると思います。
(私の経験でも、これらのうちの1つでも欠けてしまうと、連携が上手く行かないことが多かったです。)
このように、このガイドブックには、「産学官金連携」を上手く行かせるための、コツが解説されています。
大学や公的研究機関等との連携を考えている企業の方は、このガイドブックを読むことをお勧めいたします。
「産学官金連携」の成功確率が高くなると思います!
弊所では、「産学官金連携」に関するご相談も承っております。
何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。
今日は以上です。