イチジク近縁種イヌビワのゲノム配列が解読されました
こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
公益財団法人かずさDNA研究所のプレスリリースによると、イチジクの近縁種イヌビワのゲノム配列が解読されたそうです。
近縁種イヌビワのゲノム配列が解読されたことによって、株枯病真性抵抗性遺伝子※1を有するイチジクの品種改良の効率化できることになりそうです。
イヌビワは、イチジクの生産に大きな被害を及ぼす「株枯(かぶがれ)病※2」に対す る強い抵抗性を持つそうです。
そこで、株枯病に対する抵抗性を持つ遺伝子を特定することができれば、その遺伝子を有するイチジクを育種すればよいことになります。
したがって、イヌビワのゲノム配列が解読されたことは非常に意味があることになります。
ちなみに、このゲノム解析では、3億3160万塩基対のゲノム配列が決定されたそうです。
この研究成果を出すためには、途方もない数のゲノム配列を特定する必要があったのですね!
しかも、これらのゲノム配列から、51,806個の遺伝子を発見したそうです!
これまた、気の遠くなるような実験が必要だったと思われます。
このような地道な研究が、新品種の育成に寄与することになります。
このようなお金に直結しない研究は、民間ではなかなかできないと思いますので、かずさDNA研究所のような公的研究機関に期待しましょう!
公的研究機関の成果は、ライセンスを受けることによって民間企業でも活用することができます。
機会がありましたら、是非公的研究機関の研究成果を活用してください。
ところで、遺伝子を特定することができた新植物品種(アイデア)は、特許権を活用するよって保護することができます。
一方、遺伝子を特定することができない新植物品種は、育成者権を活用することによって保護することができます。
新植物品種を育成した場合には、これらの知的財産権による保護を検討すべきだと思います。
弊所では、新品種の保護に関するご相談や、特許出願および品種登録出願の手続代理も行っております。また、公的研究機関からのライセンスのご相談も承っております。
何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。
※1 株枯病真性抵抗性遺伝子とは、株枯病に対する抵抗性を持つ遺伝子であり、病気に侵されない真性抵抗性と、病害の程度が状況によって異なる罹病性に分けられる
※2 1981年に愛知県より報告された病害で、詳しくはここを参照してください